「味変」したら覚醒しちゃったクルマ 28選 新しいエンジンで本気を見せた名車たち
公開 : 2022.12.31 19:05 更新 : 2022.12.31 19:46
ルノー・クリオ・ルノースポール
ルノー・クリオの高性能仕様は、すべて高回転の自然吸気2.0Lエンジンを搭載していた。この方針は2013年に大きく変わり、ルノーはアライアンスパートナーの日産と共同開発した、同程度の出力(200ps)を発揮する1.6Lターボに切り替えたのである。
クリオのキャラクターが変貌したのは間違いない。問題は、これがプラスかマイナスかということだ。中速域の性能が向上したことは大きな進歩だが、「前モデルの小気味よさは、容赦なく抜き取られた」と評価する向きもある。
サーブ96
サーブは1949年発売の92から、18年後の96(92の2代目)の改良まで、ずっと2ストロークエンジンだけを使用してきた。ここから、ドイツ・フォードが開発した4ストークのV4に切り替わる。
世界最高水準というわけではなかったが、それまでサーブが使っていたどのエンジンよりもパワフルだった。また、ブリキ缶に閉じ込められたスズメバチのような音や、臭い青煙が出ないことも重要なポイントである。96は1980年まで生産されたが、もし2ストロークに固執していたら、そこまで長続きしなかっただろう。
サンビーム・アルパイン
サンビーム・タイガーの話は、冒頭に紹介したACコブラとほとんど同じである。キャロル・シェルビーはコブラと同様、サンビームのスポーツカー、アルパインにももっとパワーを与えなければならないと考えたのだ。
アルパインのエンジンはフォード・ウィンザー(当初は4.3L、後に4.7L)に換装され、車名もそのパワーにふさわしいタイガーへ改められた。ただし、コブラと違ってフォード製大排気量V8への移行はなかった。
バンデン・プラ・プリンセス
バンデン・プラ・プリンセスは、ファリーナ設計の大型セダンで、オースチンやウーズレーの兄弟車とほぼ同じモデルである。いずれも2.9L直6エンジンを搭載するが、プリンセスだけはさらに一歩ステージを上がった。
1964年、いくつかの改良が施され、プリンセスRと名付けられたモデルが登場。ロールス・ロイスが開発した3.9Lエンジンを搭載し、最高出力は約120psから175psに跳ね上がり、以前よりはるかに速くなった。ただ、プリンセスのキャラクター的に、鋭い加速よりも高速巡航に重きを置いていたと思われる。
ヴォグゾール・カールトン
カールトンGSiは、優れたハンドリングと強力な3.0L直列6気筒24バルブエンジンを持つ高性能車であった。また、ワーグナーのオペラのように壮大なロータス・カールトンのベースとなったクルマでもある。ドイツ・リュッセルスハイムのオペル工場から出荷されたカールトンGSiは、英国ヘセルのロータスに送られ、150時間かけて改造された。
改造の内容は、直6エンジンの排気量を3.0Lから3.6Lに拡大し、ギャレット製ターボチャージャーを2基搭載するというものだった。その結果、出力は207psから382ps(ハイオクガソリンの場合)へと向上し、加速性能もアップしたため、販売禁止を求める声が上がるほどであった。
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