わたしが20年落ち30万円台のトヨタ・クラウンを買ったワケ 自動車ライターの「愛車」は? 小鮒康一
公開 : 2022.12.30 05:45 更新 : 2022.12.30 09:10
「予想どおり」と「予想外」
かくして筆者の愛車となった2003年式クラウンロイヤルサルーンGだが、直6 3Lのエンジンは振動とは無縁な感覚でシュルシュルと回り続け、乗り心地は非常に安楽。これは購入前に抱いていたイメージと同じとなっていた。
その一方で意外だったのがその乗り味だ。
安楽な乗り心地であることは間違いないのだが、フワフワと頼りないものではなく、どこか一本芯が通ったような感覚で、ドライバーズカーとしても楽しくステアリングを握ることができるものとなっていたのである(ステアリングギア比はスローなので、タイトなワインディングは不向きだが)。
またボディの剛性感も素晴らしく、堅牢で守られている感があると同時に、2003年式でありながら、サイドエアバッグなども標準装備となっている点もありがたい。
燃費性能についてはそこまで期待していなかったが、高速道路を法定速度でゆるゆると走っていると14km/Lくらい走ってくるのも嬉しい誤算で、街乗りメインでも7-8km/Lといったところなのだ。
このように予想以上に満足度の高い筆者の11代目クラウンではあるが、不満点がないわけではない。
中でもナビがいわゆる「マルチ」と呼ばれるエアコンなどの操作も兼ねるものとなっており、当然ながら新しい地図データも供給されていないため、インパネの一等地にモニターが存在していながらも、ただのお飾りに成り下がっている点はかなり辛いところ。
もちろんBluetoothもUSBもHDMIもないし、テレビもアナログ放送はとうの昔に終了しているので、車内エンタメが最近のモデルに対して非常に乏しいのである(現在は外部入力でスマホから音楽を聴けるようにしている)。
また年式を考えれば当然ではあるが、運転支援システムなども備わっていないのも寂しいところだ(当時、オプションでレーダークルーズコントロールは設定されていたが、筆者の車両は非装着)。
とはいえ購入金額を考えれば満足度は非常に高く、古き良き高級車のイメージを味わいたいというのであれば、選択肢の1つとして検討しても損はないモデルといえるかもしれない。