1980年代を象徴する名車 40選 前編 時代に彩られた不朽のヒーローたち

公開 : 2023.01.01 19:05

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI

2代目ゴルフGTIを抜きにして、80年代の名車は語れない。もっと速いクルマは他にもあったが、ゴルフGTIには小さくて楽しいホットハッチの伝統がある。初代GTIの成功に続き、象徴的なツインヘッドライトはそのままに、やや丸みのあるボディワークと1.8Lの8バルブおよび16バルブエンジンを備えていた。

初代よりも10%重くなったが、最高出力113ps の8バルブエンジンは950kgの車体に十分だった。140psの16バルブエンジンの導入は、フォードなどのライバルに対抗するものであり、2代目ゴルフGTIはトップクラスのホットハッチへと昇華した。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI

フォード・エスコートRSターボ

「RS」の名称が付くフォード車は、ラインナップの中で最もドライビングに特化したモデルである。エスコートRSターボは、前輪駆動車として初めてリミテッドスリップデフを採用し、最高出力134psのターボエンジンによって当時最速のホットハッチの1つとなった。

インテリアでは、ブルーのステッチが施されたレカロ製シートなどスポーティな仕上げに。英国のダイアナ妃が入手した1台(同モデル唯一のブラックカラー)は、2022年に72万2500ポンド(約1億2000万円)で落札された。

フォード・エスコートRSターボ
フォード・エスコートRSターボ

ルーフCTRイエローバード

1987年、ヘルメットもグローブも装着しないドライバーが、新型CTRイエローバードでニュルブルクリンクをわずか8分05秒で周回するプロモーションビデオが公開された。フェラーリ288 GTOやランボルギーニカウンタックが最高速度305km/hを誇っていたのに対し、CTRイエローバードは340km/hを記録。イタリア勢を圧倒した。

リアに搭載された3.4Lツインターボは469psを発生させ、1150kgという車重も手伝って、このようなパフォーマンスを実現している。生産台数はわずか29台。

ルーフCTRイエローバード
ルーフCTRイエローバード

フェラーリF40

F40はフェラーリの創立40周年を記念して作られたモデルで、これまでに生産されたフェラーリの中でも、世界で最も影響力のあるスーパーカーの1つに数えられている。フロントシートの後ろに配置されたV8ツインターボは478ps/7000rpmを発生し、車重は同時代のホットハッチよりわずかに重い程度であった。

パワーはすべて5速マニュアル・トランスミッションを介して後輪に伝達され、0-100km/h加速4.1秒、最高速度324km/hを達成。1987年当時、F40は19万3000ポンド(約3000万円、日本仕様は税別4500万円)で発売されたが、現在の価格はその5倍以上である。

フェラーリF40
フェラーリF40

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事