1980年代を象徴する名車 40選 前編 時代に彩られた不朽のヒーローたち

公開 : 2023.01.01 19:05

ランボルギーニ・ジャルパ

ジャルパは、フェラーリ308ポルシェ911 SCと競合するランボルギーニのエントリーモデルで、わずか53台しか売れなかったシルエットP300をベースにしている。1970年代、ランボルギーニはオフロード車のチーターを米陸軍に売り込んだが、失敗。シルエットの挫折も重なり、社内には暗い空気が漂っていたことだろう。そこでシルエットの改良が命じられ、1980年代にジャルパが誕生することになる。

ジャルパは400台以上が販売され、ランボルギーニは経営危機を脱することができた。そして、その資金でカウンタックのアップデートが行われた。1988年、ランボルギーニの販売台数が十分でなかったため、ジャルパの生産は中止された。

ランボルギーニ・ジャルパ
ランボルギーニ・ジャルパ

ホンダCR-X

この時代、もっと美しいクルマは他にもあったが、消費者が必要とするすべてのもの、すなわち2シーターの小さくミニマルな車体と低燃費を備えていたのがホンダのCR-Xであった。1984年の発売当時は、1.3Lで60psを発生するエコノミーモデル、1.5Lで76psのスポーティモデル、5速MTと3速ATが用意されていた(いずれも英国仕様の性能値)。1988年には2代目が導入され、150psの1.6L VTECも選択できた。

100psのモデルはパフォーマンスと経済性を両立させ、当時としては珍しい21km/lの燃費を実現し、高く評価された。1990年代には凝った機構の電動オープンルーフを備えたCR-Xデルソルがデビューするなど、3世代(バラードスポーツCR-X、CR-X、CR-Xデルソル)にわたって数多くのファンを獲得した。

ホンダCRX
ホンダCRX

ロータスエランM100

ロータスで最も人気のあるクルマは、おそらくエリーゼであろう。エスプリもジェームズ・ボンドがハンドルを握ったことで人気が高まった。しかし、初代エランもバランスのとれた前輪駆動車である。

1989年にマツダのMX-5(ロードスター)に対する英国の回答としてM100系エランが登場したが、その奇抜なスタイリングと前輪駆動方式が鼻についた。MX-5が40万台以上売れたのに対し、エランは4700台しか売れていない。

ロータス・エランM100
ロータス・エランM100

ミドシップの後輪駆動とする当初の計画が悔やまれるところだが、ハンドリングは実に興味深いものだった。剛性の高いシャシーとコーナーでのロールを最小限に抑えたおかげで、ほぼ後輪駆動車のような挙動を示し、AUTOCAR英国編集部のテストでは「最も速いポイント・ツー・ポイント・カー」と評している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事