メルセデス・ベンツ190E

かつて絶大な人気を誇ったメルセデスの190Eは、現在でも少なくない数が道路を走っている。1982年から1993年の間に、全世界で約200万台が販売されたという。発売当時は、ガソリンとディーゼルが用意され、ガソリンエンジンは自然吸気の2.0Lに始まり、2.3Lと2.5Lのコスワース製ユニットへと拡大された。

1984年、アイルトン・セナは235psの190E 2.3-16エボリューションを駆り、19人のドライバーを相手にニュルブルクリンク・レース・オブ・チャンピオンズで優勝を果たした。

メルセデス・ベンツ190E
メルセデス・ベンツ190E

BMW M5

5.0L V10からツインターボV8まで、かつてスポーツカーのM1に搭載されていたエンジンをアップデートするなどさまざまな改良を施し、E28型535iの高性能モデルとしてM5が誕生した。E28型M5は、決して世間の注目を集めることはなかったが、確固たるベンチマークを築き、今日のスーパーサルーンM5を生み出したのである。

1984年に発表されたM88型3.0L直列6気筒エンジンは、同時代のフェラーリ328を上回る278psを発生し、0-100kmn/h加速6.2秒、最高速度242km/hを達成できる。1984年から1988年まで、わずか2191台が生産されている。

BMW M5
BMW M5

アルファ・ロメオGTV6

アルファ・ロメオは1973年、アルフェッタをベースに、ダットサン240Zやフォード・カプリをターゲットとした初代GTVを開発。1980年代初頭に改良を施し、アルファ6に搭載されていた2.5L V6を移植すると、マツダRX-7ポルシェ924をターゲットとするようになった。1981年から1987年までの短い間で2万2000台が生産されたが、海外に渡ったのは5000台にも満たなかった。

1983年の映画『007/オクトパシー(原題:Octopussy)』でジェームズ・ボンドがドイツの田舎町を元気に走り回ったことが、その人気を加速させた。

アルファ・ロメオGTV6
アルファ・ロメオGTV6

ボルボ240

ボルボの240は速くもなく、ハンドリングにも優れていなかったが、誰にも負けない長所が1つあった。それは、とにかくタフなこと。

レンガのような体格、大きなトランク、頑丈さにより、サーブ900の手強いライバルとして存在感を発揮した。144と呼ばれるモデルは4気筒エンジンを搭載していたが、164は大型の6気筒を搭載するためにフロントエンドを延長している。

ボルボ240
ボルボ240

240は、世界で初めて触媒コンバーターとO2センサーを搭載したクルマである。19年間で280万台以上が生産されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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