ベントレー・ターボR

80年代、英国の防衛企業ヴィッカースはベントレーを所有していたが、ロールス・ロイスの方が魅力的であったため、同ブランドを手放そうとしていた。そこでベントレーは、ロールス・ロイスとの距離を縮めるため、6.75L V8とギャレットT3ターボを搭載したミュルザンヌ・ターボを発表する。スポーティなモデルとして発売されたものの、コーナリングはかなり不調だった。

後にサスペンションを改良したターボR(Rはロードホールディングの略)が登場。1988年にはフェイスリフトが行われ、4つの円形ヘッドランプを採用。世界的に有名な外観となる。1982年当時、売上に対するベントレーの貢献度はわずか1.6%だったが、1990年にはターボRによって50%にまで押し上げられた。

ベントレー・ターボR
ベントレー・ターボR

ランボルギーニカウンタック

1971年に発表されたカウンタックは、16年の間に5種類のモデルが登場し、2000台近くが生産された。「カウンタック(Countach)」という名称には直訳がなく、驚嘆の念を表す言葉として知られている。

発売時からすでに衝撃的な存在だったカウンタックだが、1978年にリフレッシュの時期が訪れ、LP400Sがリリースされた。LP400Sは、シャシーに大幅な改良を加え、エアコンを装備し、エアロダイナミクスを向上させたモデルである。

ランボルギーニ・カウンタック
ランボルギーニ・カウンタック

フェラーリテスタロッサで世界の関心をさらうと、ランボルギーニは461psのカウンタックQVで応戦する。1988年、カウンタックに最後の改良が加えられ、バンパーとリアスクープのデザイン変更、冷却口の追加、また大型リアウィングがオプションとして用意された。

レクサスLS400

80年代、世界の高級車市場はメルセデスやBMWといったドイツ勢の手中にあったが、日本は1989年にレクサスLS400の生産を開始。新ブランドでありながらトヨタの後ろ盾を得て販路を拡大した。大柄なボディの下には241psを発生する4.0L V8と4速AT、後輪駆動システムを備えている。

多くの自動車雑誌で「欠点がない」と評されたが、それは、プロペラシャフトの振動をゼロにする設計や、高速走行時に角度を変えて騒音を抑えるワイパーなど、快適な乗り心地を実現するために手間と技術を惜しみなく投入した結果だ。

レクサスLS400
レクサスLS400

LS400は、ライバルであるBMW 735iやメルセデス420SEに対して58dBも騒音レベルが低い。開発には、60人のデザイナー、1400人のエンジニア、2300人の技術者、200人のサポートスタッフが参加し、レクサス初のフラッグシップモデルを成功に導いた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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