シトロエンBX

英国ではかつて数年連続ベストセラーとなるなど、絶大な人気を得たBXだが、現在では255台(英国)を残すのみとなった。ベルトーネのマルチェロ・ガンディーニがデザインしたBXは、世界で250万台を売り上げ、シトロエンを経営破綻から救ったファミリーカーとも言われる。欧州では1982年に発売され、1.4Lおよび1.6Lエンジンを用意していた。

ボンネット、バンパー、トランクリッドに採用された軽量プラスチックパネルによる経済性と低ランニングコストも人気の理由である。ドラム式スピードメーターとストリップ式レブカウンターを装備していたが、1986年に近代的な装備に交換された。

シトロエンBX
シトロエンBX

ロータス・エスプリ・ターボ

1977年にジェームズ・ボンドの「潜水艇」として活躍した後、1981年に『007/ユア・アイズ・オンリー(原題:For Your Eyes Only)』でボンドの移動手段として再び採用されたロータス・エスプリ。劇中では後部にスキー板が装着され、潜水艇に続いてまたしてもファンの間で話題となった。エスプリ・ターボは、スーパーカーのようなボディを持ちながら、2.2Lエンジンの出力は215psと控えめで、ライバルのポルシェ944ターボやフェラーリ328よりもやや低かった。

しかし、ロータスらしく車重は1147kgと軽量で、条件さえ整えば0-100km/h加速5秒以下、最高速度248km/hという、当時としてはスーパーカー並みのパフォーマンスを発揮することができた。ロータスは28年間で1万675台のエスプリを製造し、そのうち2274台がターボであった。

ロータス・エスプリ・ターボ
ロータス・エスプリ・ターボ

ルノーGTAターボ(V6ターボ)

GTA(V6ターボ)は、忘れられがちなスポーツカーである。グラスファイバー製の流麗なボディの下にはスチール製のバックボーン・シャシーがあり、車重は1140kgに抑えられている。エンジンは160psの2.9Lと200psの2.5Lターボがあり、いずれもリアに搭載される。1984年から1991年の間に649台が生産された。

ルノーGTAターボ(V6ターボ)
ルノーGTAターボ(V6ターボ)

TVRタスミン

英国ではTVRウェッジ(TVR Wedge)シリーズの名で知られるタスミン。1980年に発売され、TVRの実力を見せつけたスポーツカーだ。特徴的な前かがみのボンネットの下には、カプリと同じ160psの2.8L V6エンジンが搭載されている。車重1074kgで、0-100km/h加速は7.8秒。また、タスミンはTVRとして初めてオートマチック・トランスミッションを搭載したモデルである。

管状スペースフレームシャシーの上にグラスファイバー製ボディを載せ、腐食防止のためにパウダーコーティングが施された。1983年には350i V8が登場し、1984年には390SE、1986年には420SEとSEACが登場。420SEは325psを発生し、すぐに「未亡人製造機」と呼ばれるようになった。

TVRタスミン
TVRタスミン

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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