1980年代を象徴する名車 40選 後編 時代に彩られた不朽のヒーローたち
公開 : 2023.01.01 20:25
シトロエンBX
英国ではかつて数年連続ベストセラーとなるなど、絶大な人気を得たBXだが、現在では255台(英国)を残すのみとなった。ベルトーネのマルチェロ・ガンディーニがデザインしたBXは、世界で250万台を売り上げ、シトロエンを経営破綻から救ったファミリーカーとも言われる。欧州では1982年に発売され、1.4Lおよび1.6Lエンジンを用意していた。
ボンネット、バンパー、トランクリッドに採用された軽量プラスチックパネルによる経済性と低ランニングコストも人気の理由である。ドラム式スピードメーターとストリップ式レブカウンターを装備していたが、1986年に近代的な装備に交換された。
ロータス・エスプリ・ターボ
1977年にジェームズ・ボンドの「潜水艇」として活躍した後、1981年に『007/ユア・アイズ・オンリー(原題:For Your Eyes Only)』でボンドの移動手段として再び採用されたロータス・エスプリ。劇中では後部にスキー板が装着され、潜水艇に続いてまたしてもファンの間で話題となった。エスプリ・ターボは、スーパーカーのようなボディを持ちながら、2.2Lエンジンの出力は215psと控えめで、ライバルのポルシェ944ターボやフェラーリ328よりもやや低かった。
しかし、ロータスらしく車重は1147kgと軽量で、条件さえ整えば0-100km/h加速5秒以下、最高速度248km/hという、当時としてはスーパーカー並みのパフォーマンスを発揮することができた。ロータスは28年間で1万675台のエスプリを製造し、そのうち2274台がターボであった。
ルノーGTAターボ(V6ターボ)
GTA(V6ターボ)は、忘れられがちなスポーツカーである。グラスファイバー製の流麗なボディの下にはスチール製のバックボーン・シャシーがあり、車重は1140kgに抑えられている。エンジンは160psの2.9Lと200psの2.5Lターボがあり、いずれもリアに搭載される。1984年から1991年の間に649台が生産された。
TVRタスミン
英国ではTVRウェッジ(TVR Wedge)シリーズの名で知られるタスミン。1980年に発売され、TVRの実力を見せつけたスポーツカーだ。特徴的な前かがみのボンネットの下には、カプリと同じ160psの2.8L V6エンジンが搭載されている。車重1074kgで、0-100km/h加速は7.8秒。また、タスミンはTVRとして初めてオートマチック・トランスミッションを搭載したモデルである。
管状スペースフレームシャシーの上にグラスファイバー製ボディを載せ、腐食防止のためにパウダーコーティングが施された。1983年には350i V8が登場し、1984年には390SE、1986年には420SEとSEACが登場。420SEは325psを発生し、すぐに「未亡人製造機」と呼ばれるようになった。
画像 愛すべき1980年代のヒーローたち【コルベットC4やフェラーリ・テスタロッサ、トヨタ・カローラAE86などを写真で見る】 全123枚