なぜ? 「自動車ディーラー街」ができるワケ 「ライバルがご近所」メリットは?
公開 : 2023.01.03 05:45
自動車ディーラーが集中して出店している地域をよくみかけます。ライバル同士がご近所にあるメリットなどを解説します。
自動車ディーラー街できるワケ
クルマの購入やメンテナンスでお世話になる自動車ディーラー。これを読んでいる人の中には年始の初売りセールのタイミングでディーラーに足を運ぼうと考えている人も多いのではないだろうか。
そんな自動車ディーラー、実際に足を運んだことがある人であればお分かりかと思うが、一部例外はあるもののほとんどのディーラーが1か所に固まっているのである。
もちろん他メーカー、他ブランドのディーラーがひしめき合っていることが多く、極端な場所だと複数のディーラーが隣り合っているというところもめずらしくない。
また新車ディーラーだけでなく、同じ並びに大型の中古車販売店や買取店が並んでいるケースも多く、クルマにまつわることならすべてその地域で済んでしまう勢いなのだ。
こういった自動車ディーラーが集中している場所は、バイパス沿いや幹線道路沿いというパターンが多いが、これは言うまでもなく交通量が多い場所に出店することでその場所にディーラーや中古車店があることを認識してもらいやすくするという狙いがある。
近年こそナビの普及やスマホナビの高性能化によって目的地にピンポイントで向かうことも難しくなくなってきているが、それ以前の時代では分かりやすい場所に店舗を構えるというのは非常に重要なファクターだったようだ。
ライバルがご近所 メリットは?
そもそも最初から希望の車種が決まっており、それ以外の車種には一切目もくれないというユーザーであれば無関係だが、特段マニアではない一般的なユーザーにおけるクルマ選びは、大まかな予算感と「ミニバン」とか「クロスオーバーSUV」とか、大まかな車型を決め、それに合致した車種を擁するディーラーに足を運ぶというパターンが多い。
となると、A社のクルマとB社のクルマ、両方をチェックする可能性も高く、ライバルメーカーのディーラーであっても近隣に存在していればユーザーが足を運んでもらいやすくなるというメリットが発生するというワケだ。
もちろん価格重視のユーザーの場合は、熾烈な値引き競争になるリスクもないわけではないが、そもそも検討の土俵に上がることがなければ購入してもらえる可能性はゼロとなってしまうため、競合やむなしの精神で同じ地域に出店しているというケースが多いのである。
また、同じ地域に出店している中古車店では、希望する車種で金額の折り合いがつかなかったという場合や、最近では長納期によって購入を断念したユーザーが中古車を検討するというケースもあるし、買取店ではディーラーでの下取り価格に納得できなかったユーザーが査定に持ち込むということもあるため、こちらも相乗効果を狙っているといえるだろう。