マツダRX-7の窃盗犯に「懲役5年」 前科6犯、公判で何を語った? 「反省している」で減軽のギモン
公開 : 2022.12.25 20:00 更新 : 2022.12.26 09:58
前科6犯 窃盗団のリーダーだった
このたび懲役5年の判決が下されたのはKMの方である。
公判が最初におこなわれたのはYKで9月29日に筆者もさいたま地裁でおこなわれる初公判の傍聴に出向いた(KMはその時点で容疑を否認していた)。
なお、YKについてはAさんのFD窃盗のほかに覚せい剤取締法違反などの件もあるため判決が下されるのは来年1月12日の第3回公判以降となる模様。
KMもYKももちろん今回が初犯ではない。
KMに至っては2006年に1500台、約20億円という大規模な自動車窃盗事件のリーダーとして逮捕→収監歴がある。
自称中古車ブローカーのKMは「02年から仲間数人でトラックなど1500台を盗んだ」ことを供述。
埼玉、茨城、群馬、栃木、新潟の5県で自動車窃盗を重ねており、1台20~30万円で外国人などに転売していた。
KMは窃盗含む前科6犯、同じく前歴9件というすさまじい犯罪歴を有している。
一方のYKもこれまで複数の逮捕歴がある。
AさんのFD窃盗での第2回公判では群馬でレッカー車3台を4人で盗んだ件の追起訴、来年1月に予定されている第3回では覚せい剤での追起訴もおこなわれるという。
12月8日さいたま地裁でおこなわれた第2回公判ではKMに対して「(AさんのFD含む)3件5台のキーシリンダーをドリルで破壊するなどしてエンジンを始動して窃盗」した件で懲役7年が求刑された(さいたま地裁令和4年(わ)第648号事件など)
それから半月後の12月23日、第3回公判を傍聴したAさんからKMに対して懲役5年という判決が下されたと筆者に連絡があった。KMの弁護士によると控訴する意思はないという。
ちなみに、AさんのFDのほか4台は以下の内訳となる。
・4月26日犯行
普通貨物自動車(クレーン付トラック)
・5月17日犯行
大型特殊自動車(クレーン、レッキング装置付)
中型貨物自動車(クレーン、ローダー付)
準中型特殊自動車(クレーン、レッキング装置付)
FD盗んだ犯人は何を語る? 公判の様子
AさんのFDを盗んだ犯人、KMには懲役5年の刑が言い渡されているが、公判でのKMの様子はどうだったのか。
被告人質問がおこなわれた第2回公判(12月8日)の様子をAさんが語ってくれた。
「KMは次回が判決言い渡しとなりました。求刑は懲役7年です。今回は被告人質問がありました」
「要点をまとめますと……
・最小限以外はすべて黙秘or覚えていない。言い逃れできない事象のみしか答えない。
・誰の指示で盗んだのか、誰に売ったか、誰から金を受け取ったのか。YKやほかの共犯者との関係、盗むに至った経緯、今回計5台売った利益……これらすべて黙秘でした」
「弁償についても話していましたが、『現時点では弁償できない』とのことで、『出所して働いて弁償したい。出所したら60代半ばの年齢となるが、知人や息子のツテで働かせてもらいたいと思っている』」
「出所後の支払いは現在の弁護士を通じて被害者に支払うことを考えており、『これから弁護士と相談したい』とのことでした」
「FDが見つかった敷地を所有するライオントレーディングやハルクンジャパンとの繋がりは明かされませんでした」
そして第3回公判(12月23日)では求刑7年に対して5年の懲役刑が言い渡された。
7年から5年に減軽された理由は以下。
・反省の意思を示している
・1台が被害者へ還付されている(AさんのFD)
・弁済の意思を示している
これらを情状酌量として減軽されたと考えられる。