スコダ・ファビア・プロトタイプ
公開 : 2014.09.06 23:40 更新 : 2017.05.29 18:40
スマートフォンの画面をそのままディスプレイに映し出す、ミラーリンク・システムを始め、装備品や安全対策にも力が注がれている。特にミラーリンクの恩恵は大きく、こちらのお陰で追加の衛星ナビゲーション・システムやその他のソフトウェア・パックを購入する必要はなくなる。今のところはアンドロイド端末にしか対応していないが、iPhoneにも対応するならばかなりの期待を寄せて良いだろう。
■どんな感じ?
乗ってみてびっくり。先代のかすかな記憶と言えば、洗練に欠け、ゴツゴツとした乗り心地の、狭いオンボロ車と言った感じだったが、こちらのクルマは乗っていて非常に説得力があると感じた。先代を思い起こさせると言ったら、ドアを閉めた時のぶしつけな音くらいしかない。
中を見れば、ここ最近のスコダの文法そのもの。スイッチの配置もよく考えられていて、クリーンでカチッとした雰囲気を見事に表現している。トップ・グレードのエレガンスにも柔らかいタッチの素材などは用いられてはいないけれど、ディテールや機能性を見れば、そのような豪華な仕立てなど必要ないと思える程である。
キャビンのスペースを拡大するためにダッシュボードが改善されたのもありがたい。いくぶんシート・ポジションも低められ、快適に座ることができながら、パッセンジャーと肘がぶつかったりしないあたりは、Cセグメントのトップ・モデルに比肩するといっても過言ではない。荷室は拡大されたが、後部座席に人を座らせても窮屈さはなく、その後席を折りたためば330ℓもの容量が確保される。ゴルフよりもわずか50ℓ小さいだけと言うのだから、かなりの実用性を誇ると言っていい。
フロントはマクファーソン・ストラット、リアはトーションビーム式となり、シャシーの上には軽量なボディが載る。乗っていて感じる ’ゆるさ’ は皆無で、いかに基本がしっかりしているかが伺える。むやみにキャビン内に外部の音が入ってくるようなことも無かった。
トラックが30mm分拡大しているお陰で安定感も高くなっている。軽い鼻先と、低められたボディのおかげでハンドリングもすこぶる良い。
ステアリングは電気アシストに変更されているが重さも適切で、フォルクスワーゲン・グループの例に漏れず正確性も見事なもの。操舵フィールは楽しく、粘り強い。シート座面や、ステアリング・ホイールからの情報量は決して豊富に伝わってくるわけではないけれど、そのどれもが絶妙なバランスに整えられている。