レクサスRC F
公開 : 2014.09.06 23:50 更新 : 2017.05.29 19:24
スーパーカーの類でさえ、より燃費がよく、地球を汚さないことを求められる今、勇敢にもV8の大排気量エンジンを鼻先に収めたレクサスにまずは拍手すべきだと筆者は思う。
しかし目を瞑っておけないのはその乾燥重量。1840kgもの車重は、BMW M4やM3よりも約0.5トンも重いのだ。それでいてM4やM3よりも上を行きたいというのだから、ちょっと虫が良すぎやしないかと思うのは私だけではないだろう。
ただ実際に乗ってみなければ分からないのも事実。RC Fがライバルに負けるとも劣らぬパフォーマンスをするのであれば、ヒエラルキーは打ち壊されることになるし、車重どおりでしかないならばレクサスは窮地に陥ることになるだろう。こういう場合、かつての日本の武士は切腹(英語表記ではharakiri)をしたそうだ。
■どんな感じ?
テストをする際、もっとも重要なクエスチョンとなったのは、愛されるべく存在として、技術的な古臭さを上手く覆い隠しているかどうかだった。
それに対する答えは、イエスでもあったしノーでもあった。
大部分において数字どおりだったのだ。勇ましいという表現では済ませられないほどのエグゾースト・ノートを轟かせながら、478psと54.2kg-mという数値そのままの力強さで走り抜ける。その一方、2名乗車で2トンを超えてしまう ’重さ’ を乗っていて明確に感じた。
これでいて、ひらりとコーナーを駆け抜けたり、甘美な操舵フィールを持つならば全てを受け入れてもいい。ドライバーを巻く込む魅力もあるならばM3/M4なんて買わなくてもいいよ、と書くことになるだろう。
では実際はどうだろうか。細かく見ていくことにしよう。