レクサスRC F
公開 : 2014.09.06 23:50 更新 : 2017.05.29 19:24
アメリカのサーキットではRC Fの性能を試すことが特別に許された。そのときのRC Fの感触といえば、ブレーキの振動の多さのおかげで限界点近くでは極めて扱いにくく、ステアリングも正確性なんてどこにもないと言えるほどのシロモノだった。
正直に言えば8割型は幻滅させられっぱなし。安定感だけでなく、読者諸兄が期待するであろうスリルに関してもどこか薄味なのだ。新しく採用されたトルセンLSDも、ドラマを生むほどではなかった。
その一方でロードカーとしては、RX Fは抜群の存在感をみせる。4つのモードの中で最もアグレッシブなものを選んでも、乗り心地はじつに柔らかくしなやかなのだ。
電子制御のステアリングも緻密で正確。手のひらで路面状況の全てを掴むことができると言っていい。V8エンジンから聞こえるサウンドも、時に陶酔しそうになるほどで、操舵フィールも低速で鋭く、高速でも苦労を強いないレクサス流の流儀を貫いている。
純粋なロードカーとしては、とても魅力的で速く、運転していて非常に楽しい。また、同クラスのライバルがなかなか真似することのできないインテリアの質の高さも乗っていて高揚する点のひとつだ。
サーキットでの振るまいを意識した、やや大きめのエグゾースト・ノートをもう少し抑制させれば能力の高いグランド・ツアラーとして手放しに受け入れることができるだろう。
しかしサーキット・ウエポンとしてはまだまだ改善の余地が残る。トラック・タイムを突き詰めていくようなクルマとして期待すればするほど、その欠点にがっかりさせることになるだろう。