海外セレブのちょっと変わった愛車特集 25選 著名人が乗る「意外」なクルマとは?
公開 : 2023.01.03 19:05 更新 : 2023.01.04 00:12
チャールズ3世:MGC
英国のスポーツカーメーカー、MGが生んだ名作がMGBと呼ばれるモデルで、その派生がMGCだ。MGBより大型の2.9L直6エンジンを搭載し、1960年代後半に2年間だけ生産されたが、ハンドリングの悪さでメディアから批判を浴びた。
英国の現国王チャールズ3世(当時は皇太子)は18歳の誕生日にGT(クーペ仕様)を贈られ、彼を含む一部の人々はMGCを高く評価している。1997年に息子のウィリアム王子に引き継がれ、以来、王室御用達のクルマとなっている。
カルロス・クライバー:アウディA8
名高い指揮者がアウディA8を所有していたとしても、誰も驚かないだろう。驚くべきは、オーストリアのカルロス・クライバー(Carlos Kleiber、1930-2004)がA8を入手した経緯だ。彼は世界的に知られる名指揮者だが、厳格な父親の影響もあってか、少々気難しいところがあった。
自分の意に沿わない仕事は受け付けないスタイルを貫き、指揮を執る回数もレコーディングする機会も少なかった。その徹底ぶりは、食事が足りなくなったときだけ仕事を引き受けると揶揄されるほどだ。1996年、ドイツ・インゴルシュタットにあるアウディ本社でバイエルン州立管弦楽団と共演することに大きな疑問を抱いていた彼は、アウディに対してその「見返り」を要求する。
友人宛の手紙で書かれているように、彼は「たくさんのお金」と、3.7LのA8クワトロ・ティプトロニック、パール塗装、ステアリングヒーター、ベージュレザーの内装など多くのオプションを求め、その対価としてのみ参加すると提案。アウディはこれに同意し、クライバーはコンサートを行うことになったのだ。
ジョン・レノン:オースチン・マキシ
ビートルズのメンバーで最も短命だったジョン・レノン(John Lennon、1940-1980)は、実際にはオースチン・マキシを所有していない。ただ、彼が運転した数少ないクルマの1つであることは確かなようだ。
1969年の夏、レノンは妻オノ・ヨーコ(1933-現在)と息子のジュリアン、娘のキョーコ(ともに1963年生まれ)を連れて、子供の頃によく休暇を過ごしたスコットランド最北西部のダーネスへ旅行するために、アップル・レコードからほぼ新車のマキシを借りたのだ。
レノンは運転が下手なことで有名で、100kmほど走ったところで溝に落ち、ジュリアン以外の全員が負傷。マキシも修理されることはなかった。クルマの残骸は後にバークシャー州にあるティッテンハースト・パークの邸宅の庭に戻された。その後、レノンは生涯、運転手を雇うようになった。