海外セレブのちょっと変わった愛車特集 25選 著名人が乗る「意外」なクルマとは?

公開 : 2023.01.03 19:05  更新 : 2023.01.04 00:12

グルーチョ・マルクス:スクリプスブース

スクリプスブースは1913年に設立された米国の自動車メーカーで、後にゼネラルモーターズの傘下に入り、短期間で廃止されてしまったブランドだ。米国のコメディアンであるジュリアス・ヘンリー・’グルーチョ’・マルクス(Groucho Marx、1890-1977)は、若い頃に女性に好かれるクルマを求めて、ボタンを押すとドアが開くという理由で、スクリプスブースを購入した。

購入時、彼はスクリプスブースのエンジンのプッシュロッドが壊れやすいということを知らなかった。その事実を知ったのは、販売店から自宅に帰る途中だった。150ドルも出して買ったクルマを、さらに50ドルも出して直さなければならなかったという。

グルーチョ・マルクス:スクリプスブース
グルーチョ・マルクス:スクリプスブース

カール・ニールセン:ルノー・タイプAX

デンマークで最も有名な作曲家の1人であるカール・ニールセン(Carl Nielsen、1865-1931)は、乗馬を愛し、1924年に心臓病を発症したため医師から乗馬をやめるように言われ、打ちひしがれていた。友人の実業家カール・ミケルセンは、ニールセンを慰めるためにルノー・タイプAX(写真のものとは異なるサルーンボディ)を贈る。

タイプAXは背が高く、ニールセンは「見張り台」というニックネームをつけて可愛がった。ニールセンはタイプAXの運転に夢中になったが、かなり荒い走り方だったらしい。デンマークのフュン島を旅行中、道路脇の畑で何かが跳ねているのを見て、娘に「あれは何だろう」と尋ねた。それはタイプAXの車輪で、彼が気づかないうちに外れていたのだ。

カール・ニールセン:ルノー・タイプAX
カール・ニールセン:ルノー・タイプAX

ヒューバート・パリー:グラディエーター

準男爵チャールズ・ヒューバート・ヘイスティングス・パリー(Hubert Parry、1848-1918)は、ウィリアム・ブレイクの詩に曲をつけた賛美歌『エルサレム(原題:Jerusalem)』で知られる英国の作曲家である。

英国で初めて自動車が発売された頃、パリーは中年と呼べる年齢になっていたが、最新技術や流行を受け入れ、心から楽しんだ。実際、彼はヴィクトリア朝の紳士と無謀な少年レーサーを合わせたようなドライバーになり、同乗者を心配させたほどである。グラディエーターとパンハードの2台を所有し、どこにでも乗り付けたようだ。

ヒューバート・パリー:グラディエーター
ヒューバート・パリー:グラディエーター

義理の息子で歌手のハリー・プランケット・グリーン(1865-1936)が語る有名なエピソードがある。「昨日、父とグラディエーターで街に出てきたとき、危うく殺されそうになったよ。チェルトナムでは道路から木々の間を縫って歩道へ、アクスブリッジでは車体を回転させながら歩道へ、4回も制御不能に陥ったんだ。こんなの楽しいわけがないよ」

記事に関わった人々

  • AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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