三菱ミラージュ生産終了 三菱黄金時代を支えた功労者 44年の歴史を振り返る
公開 : 2022.12.28 16:25 更新 : 2022.12.28 16:58
5代目 ランサーと兄弟に
5代目となるミラージュは、ランサーとともに次世代のベーシックカーとして、3ドアハッチバック、4ドアセダンともに1995年にフルモデルチェンジ。
4ドアセダンは実質的にランサーと同一のモデルとなったが、ランサーにはない3ドアハッチバックは先代よりも全長を80mm短縮し、いっそうコンパクトになった。
新開発の1.5L DOHCエンジンは、低~中速のトルクアップと低燃費化を実現。
4ドアに搭載の1.5L MVVエンジンは空燃比の希薄限界制御を採用し、いっそうの低燃費化を推進した。
V6ガソリンエンジンは1.6Lから1.8Lに排気量をアップし、新世代の小さな高級車に相応しい上質でゆとりある走りを提供。
また、FTOで好評を博していたINVECS-IIスポーツモード4ATを採用し、イージードライブと走る楽しさを実現させた。
安全性能は、パッシブ・アクティブの両面で向上。全方位対応の衝突安全ボディ、運転席・助手席SRSエアバッグシステムに加え、ABS、ハイマウントストップランプを装備。
挟み込みを防止するセーフティ機構付きパワーウインドウも採用。
5代目ミラージュは2000年に生産終了したが、その名は1999年に発売されたトールワゴン「ミラージュ・ディンゴ」に引き継がれた。
なお、ミラージュ・ディンゴは新開発プラットフォームを採用。5代目ミラージュ生産終了後も2002年9月まで生産された。
6代目 三菱の世界戦略車
6代目ミラージュは「三菱の世界戦略車」として日本では12年ぶりに復活。
Cセグメントサイズの先代モデルよりさらにコンパクトになった。当時、日本ではクルマのサイズがモデルチェンジごとに大きくなるのが一般的だったが、6代目ミラージュでは全幅は他のコンパクトカーより3cmほど小さく設計されるなど、扱いやすいサイズを好むユーザーの取り込みを狙った。
生産は日本を含む全世界向け仕様がタイの現地法人でおこなわれ、採用するパーツついても徹底的にコスト削減がおこなわれた。その結果、扱いやすいサイズに加え低価格を実現。
日本仕様は、軽量&高剛性ボディに1.0L/1.2L 3気筒DOHCエンジンを搭載。トランスミッションは「INVECS-III」を搭載する。
また、アイドリングストップ搭載車は27.2km/L、非搭載車でも23.2km/Lの優れた低燃費を実現した。
日本では2015年にマイナーチェンジを受け、1.0Lモデルが廃止され、1.2Lモデル2グレードに。
2020年4月には日本仕様が2度目のマイナーチェンジを受け、外観はタイ仕様同様、フロントフェイスに「ダイナミックシールド」が採用された。
内外装の小変更や特別仕様車の追加などをおこないながら長きにわたり販売された6代目。2022年は日産のコンパクトカー「マーチ」が生産終了となり話題となったが、それにつづき「ミラージュ」も日本仕様が生産終了となる。
日本国内で再び「ミラージュ」が蘇る日は来るのだろうか。