何か良いことあった? 2022年振り返り 海外の自動車ライターが選ぶ「最高の思い出」
公開 : 2022.12.31 15:05
クセの強いAUTOCAR英国編集部のライターたちが2022年を振り返り、それぞれ「最高の瞬間」を語ります。マクラーレンでの車中泊から親友との旅行、トヨタの勇気ある姿勢など……。来年も良い年になりますように。
もくじ
ークセの強い英国記者が選ぶ2022年の思い出
ージム・ホルダー
ージャック・ハリソン
ージョン・エヴァンス
ーピアス・ワード
ーレイチェル・バージェス
ーマーク・ティショー
ーイリヤ・ブラパート
ーフェリックス・ペイジ
ーリチャード・レーン
ースティーブ・クロプリー
ーチャーリー・マーティン
ージャック・ウォリック
ークリス・カルマー
ーマット・サンダース
ーダミアン・スミス
ーウィル・ライメル
クセの強い英国記者が選ぶ2022年の思い出
AUTOCAR英国編集部のライターたちが2022年を振り返り、「最高の思い出」として選んだのは、クルマ同士をぶつけ合う乱闘レース、親友とのドライブ旅行、新型ミニバンの予想外の走りの良さなど、バラエティに富んだものとなった。
自動車業界が大きく変化した激動の年でも、変わらないものがある。それは、クルマから得られる永遠の思い出とシンプルな喜びだ。英国の自動車ライターが選ぶ最高の瞬間を、ともに見ていこう。
ジム・ホルダー
高級車にも乗れるという幸運な人生の中で、今年最も記憶に残っているのは、科学者ギル・プラット氏と過ごした1時間だ。トヨタ・リサーチ・インスティチュートのCEOであるプラット氏は、「限りあるバッテリー資源を、CO2削減のために最大限利用すること」を提唱し、場合によってはEVよりもハイブリッド車を優先することを明言している。
こうした姿勢は、世界各国の方針と相反し、EV推進派を怒らせるものだろう。とても勇気のある発言であり、ほぼ必然的に彼自身とトヨタを「利己的」「遅い」「時代に逆行している」といった批判にさらすことになる。
彼は正しいかもしれないし、間違っているかもしれない(彼自身、確信が持てないことを認めている)が、変革を実現させるにはチャレンジャーが必要だ。保守的で有名な世界最大の自動車メーカーが、批判も承知でそれに名乗りを上げることは、わたし達全員のメリットにつながるはずだ。
ジャック・ハリソン
「ジャガー・スポーツXJR-15でビスター・スクランブル(英国の自動車イベント)に行きませんか?」というInstagramの素敵なメッセージが印象的だった。トム・ウォーキンショーが開発したこのモンスターマシンに、僕はいつもうっとりしてしまう。
ル・マンを制したXJR-9をベースに、ワンメイク・シリーズに参戦したモデルだ。静粛性皆無の6.0L V12エンジン、硬いレーシングサスペンション、ヘッドセットが必要なほど騒々しいキャビンなど、XJR-15は道路を走ってはいけないようなクルマである。
でも、本当に良かった。回転域が上がっていくときのエンジンの唸り声は忘れられない。笑顔が止まりなくなる。実現させてくれたデイヴィッド氏とルード氏に感謝。
ジョン・エヴァンス
オーバルのサーキットで、剣闘士のように派手にペイントされた12台のハッチバックが文字通り「激突」している光景を見て、血が騒がないわけがない。この夏、わたしはオールダーショット(イングランドの町)でバンガーレース(クルマを破壊し合う競技)を取材した。ハンドルを握ることはできなかったが、繰り広げられる大乱闘を見ているだけでもスリリングだったし、参加者たちに会えたのも嬉しかった。
古いクルマが手に入りにくくなり、価格も上がっているため、バンガーレースは衰退しつつあるという噂もある。だが、わたしが観戦したときは、人数は減っているというものの、多くの観客がクルマとドライバーに声援や怒号を飛ばしていた。
忘れられない光景は、左の後輪が車体に対し直角に曲がったヴォグゾール・コルサが、迫ってくるライバルをスターターモーターの動力で邪魔しているところ。わたしだったら怖い。コルサの運転手? 彼は笑っていたよ。
画像 2022年、自動車ライターの思い出に残ったクルマたち【マクラーレンGTやフェラーリ296 GTBなどを写真で見る】 全87枚