何か良いことあった? 2022年振り返り 海外の自動車ライターが選ぶ「最高の思い出」

公開 : 2022.12.31 15:05

クリス・カルマー

今年のわたしのハイライトは、自動車に限らず全般的に、親友と行った1週間のドライブ旅行だ。長年愛用してきたホンダHR-V(ヴェゼルの欧州仕様)は、広くて、快適で、リラックスできて、燃費がよく、100%信頼できる。おかげで、親友と音楽への情熱について語り尽くすことができた。

この旅の目的であったマウンテンバイク2台を運ぶこともでき、非常に楽しい時間を過ごすことができた。同時に、ちょっと痛い思いもした。体もプライドもあざだらけになり、出血もしてしまったが、幸い骨を折ることはなかったので、旅は成功と言えるだろう。

ホンダHR-Vで親友と欧州旅行へ。マウンテンバイクで怪我はしたが最高のドライブだった。
ホンダHR-Vで親友と欧州旅行へ。マウンテンバイクで怪我はしたが最高のドライブだった。

今回の旅で、素晴らしい景色、美しい都市、おいしい料理、スピードカメラのない高速道路など、欧州への愛を再確認した。また、1日11時間もクルマの中で60cmしか離れていなかったにもかかわらず、2人の会話は楽しいか面白い以外の何物でもなかったことから、ベンとの友情も再確認できた。

マット・サンダース

この仕事では、思いもよらない日が一番思い出に残るものだ。8月のある日、休暇のはずが、たまたま同僚が新型コロナウィルスの陽性反応を示したため、代わりに世界で一番最初にアリエル・ハイパーカーを運転することになったのだ。

アリエルのような小さな会社には、このようなクルマを作る能力はないはずだ。まるで別世界のようだった。一から作った新型で、世界でもあまり類を見ない革新的な電動スポーツカーであり、運転したわたしも息をのんだ。

この小さな「ハイパーカー」と、これを作った人々には感銘を覚えた。
この小さな「ハイパーカー」と、これを作った人々には感銘を覚えた。

そして、このクルマをつくった人たちの、驚くほどフレンドリーで紳士的な態度にも、また、「好きなように使ってください」といってクルマを渡してくれたことにも感銘を覚えた。「ここに、わたし達の未来があるのです。10年がかりで作ったもので、これ(1台)しかありませんが、気にしないで、楽しんでください」

ダミアン・スミス

年寄りにしては悪くない。まあ、47歳(当時)は年寄りじゃないかもしれないが。セバスチャン・ローブとわたしはほぼ同い年だ。1月のモンテカルロ・ラリーで8回目の優勝を果たした彼は、時間を巻き戻したかのように明らかに調子を上げている。

Mスポーツと新型フォード・プーマのコンビで若い世代を圧倒し、世界ラリー選手権80勝目とシトロエン以外での初勝利を達成したローブ。新しいラリー1規定の下で行われる最初のラリーで、こんな結果を誰が予想できただろう? ラリー1のレジェンド、セバスチャン・オジェが最終ステージでパンクし、スタートで飛び出したのは好材料だったが、それにしても。

47歳のセバスチャン・ローブはラリー・モンテカルロで優勝し、華麗なバク宙を披露した。
47歳のセバスチャン・ローブはラリー・モンテカルロで優勝し、華麗なバク宙を披露した。

そして、50歳になる数学教師の友人イザベル・ガルミッシュがコ・ドライバーとして参加し、1997年以来の女性WRCウィナーとなった。ローブが得意のバク宙を披露したとき、わたしは2022年最高の瞬間が早くもやってきたと感じた。これを上回るものはなかった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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