このクルマ、覚えてる? 消えた名車「三菱シャリオ(グランディス)」 系譜をたどる
公開 : 2022.12.30 11:45
3代目 次世代を担う上級ワゴン
好評を博したシャリオは、6年5か月ぶりにフルモデルチェンジされ、次世代を担う上級ワゴンとして「シャリオ・グランディス」の車名で1997年10月に発売された。
シャリオの系譜で3代目となる「シャリオ・グランディス」は、フランス語の「雄大な(grandiose)」の造語をサブネームにつけ、これまで以上に頼もしく生まれ変わったことを表現した。
エクステリアは、フロントコーナーを大胆にカットしたデザインで、力強さと高級感を演出しながら、小まわりの効くスタイルに。
インパネシフトの採用により、ウォークスルーができる広々とした前席足元スペースの確保と、スポーティなフロアシフトの操作性を両立させた。
3ナンバーサイズのゆとりある室内は、これまでの7人乗りに加え新たに6人乗りを設定。
シートはリクライニング、チップアップ、ロングスライド、タンブルなど多彩な機構を駆使して、乗員人数や目的に応じたフレキシブルなアレンジが可能だった。
パワートレインは、全車に新開発2.4L GDIエンジンと、INVECS-IIスポーツモード4ATを搭載。
さらに安全強化ボディ「RISE」の採用をはじめ、運転席と助手席のSRSエアバッグシステムなど、充実した安全機能も誇った。
1999年10月にはV6 3.0L GDIエンジンを搭載した豪華な「ロイヤルシリーズ」を追加設定した。
4代目 「グランディス」の名称に
2003年5月、シャリオの系譜で4代目となるモデルは、「シャリオ」の名をはずして6年ぶりにフルモデルチェンジ。「グランディス」の名で発売された。
新生グランディスは、「New Age Premium」をコンセプトに誕生。人や環境に優しい新開発の2.4L MIVECエンジンと、INVECS-IIスポーツモード付4AT、4WD車にはマルチセレクト4WDシステムを搭載し、優れた低燃費と動力性能を実現した。
衝突安全強化ボディ「RISE」、新開発ストレートフレームプラットホームとともに、1~2列目シートのカーテンエアバッグを含む6エアバッグシステムなどの採用により、高いレベルの安全性が確保された。
チップアップ&ロングスライド可能なセカンドシートと、分割して収納可能なサードシートの組みあわせにより、多彩なシートアレンジを実現。
エクステリアとインテリアは「Japanese Modern」というコンセプトに基づき、伝統的な「和」のエッセンスと現代的なデザインが調和された美しさを備えていた。
2005年6月にはミニバンにSUVテイストを盛り込んだ「スポーツギア」を追加発売。
ASC(アクティブスタビリティコントロール)とTCL(トラクションコントロール)を標準装備し、215/55R17インチの大径タイヤを装着、車高を15mm高めて走破性を向上させた。
日本国内向けは2009年5月で販売終了となり、その役割はデリカD:5が引き継ぐこととなる。