新型「SL」 2Lターボでも、上級オープンカーの優等生 ハードルは1600万円超えの価格
公開 : 2023.01.02 11:25 更新 : 2023.01.02 12:00
新型SLこと、「メルセデスAMG SL 43」に試乗。AMG独自開発のモデルで、2Lターボながら381馬力を発揮します。内装・荷室も確認してみましょう。
もくじ
ー日本仕様 まずは1グレード
ー車内は? ヒーター機能を確認
ー「C 43」のエンジンと違う点
ーAMG SLのレシピ 加速の味付け
ー乗り心地/ハンドリングについて
ーハードルを越えられるヒトなら…
ーメルセデスAMG SL 43 スペック
日本仕様 まずは1グレード
さすがに厳冬期は辛いが、秋から初冬はオープンカーの旬。イメージでは初夏辺りが似合いそうだが、陽射しが厳しい時期は熱中症にもなりかねない。
個人的な感想と言われればそれまでだが、肌寒さを感じる頃に“防寒着を着て”くらいで走らせるのがオープンカーの醍醐味と信じている。
で、AMG SLロードスターである。
メルセデス車のオープンカーラインナップは他に「Eクラス・カブリオレ」と「AMG GTロードスター」の3モデルがある。
キャビン実用性では何とか実用の後席を備えるEクラス・カブリオレ、2シータースポーツのGTロードスター、まったくの2+2のSLロードスターという体。
実用性でオープンカーを選ぶユーザーはいないと思うが、サブトランクとしてバッグ等の身周り品のチョイ置き等に使えるので、後席の有無は意外と実用性に影響する。
SLロードスターにはパワートレインと駆動方式により3モデル設定されているが、日本に導入されているのは標準仕様とも言える「SL 43」。駆動方式は2WD(FR)で、装備設定も含めて1グレード構成となっている。
車内は? ヒーター機能を確認
11月後半の箱根路、冬の気配が濃くなる頃。オープンカーに丁度いいとは思うものの相応の服装をしても寒い。そんな中でのSL 43である。
傍から見れば寒々しくもあるのだろうが、乗ってる当人にすれば意外と快適。エアコンとシートヒーター(ベンチレーター)だけでなく、襟元に温風を送り出すエアスカーフが備わり、寒さを跳ね返す。
冷えを感じる要点を、効率的に温めているわけだ。
走行速度が高ければサイドウインドウくらいは立てるが、基本はフルーオープンでの試乗となった。
一応、ソフトトップを被せての居心地もチェック。
防音マットを挟み込んだ三層構造を採用しただけあって、ハードトップには及ばないまでも会話やオーディオを楽しむに十分な静粛性と心地よい密閉感を生み出していた。
また、ウインドウ越しの視界に制限されてもとくに視角的閉鎖感は覚えなかった。青天井の爽快さは味わえなくても快適なツーリングを楽しむには十分である。
「C 43」のエンジンと違う点
なお、ソフトトップの開閉はセンタコンソールのスイッチパネルまたはメディアディスプレイの操作で行い、要する時間は約15秒。
しかも60km/h以下ならば走行中の開閉が可能。これも臨機応変にオープン走行を楽しめる要点の1つだ。
4気筒2Lターボは型式では「AMG C 43」と共通だが、実際に走らせてみるとSL 43のほうがパワーフィールがマイルドに感じられる。
パワースペックでも最高出力は27ps、最大トルクは2.1kg-mほど低下。
悪い言い方をするならばディチューン版となるが、クルマのキャラクターに合わせた見識と考えるのが妥当だろう。
「C 43」は4WDを採用したスポーツモデル、「SL 43」はFRのオープンカーであり、走りの楽しみ方が異なっている。