「変えた意味…」SNSで話題 羽田空港の駐車場 キャラに微妙な変化 そこには納得の理由

公開 : 2023.01.03 05:50  更新 : 2023.01.03 12:35

ラッコはお馴染みではなくなった?

P2は陸に近い西にあるので花のキャラクター、P3は海に近い東側にあるので海棲動物が使われているというわけです。

そうなれば、次に気になるのは「アジサイ」や「ペンギン」などが選ばれた理由です。

P2の立体駐車場は、1階「サクラ」、2階「チューリップ」、3階「アサガオ」、4階「ヒマワリ」、5階「バラ」、6階「ユリ」が、1階「アジサイ」、2階「チューリップ」、3階「アサガオ」、4階「ヒマワリ」、5階「バラ」、6階「ユリ」となった。
P2の立体駐車場は、1階「サクラ」、2階「チューリップ」、3階「アサガオ」、4階「ヒマワリ」、5階「バラ」、6階「ユリ」が、1階「アジサイ」、2階「チューリップ」、3階「アサガオ」、4階「ヒマワリ」、5階「バラ」、6階「ユリ」となった。    鈴木ケンイチ

「誰でも知っている、誰でもわかる絵にするには、実は、限られた動植物たちになってしまいます」

「立体駐車場は段階的に整備を進めてきましたが、4棟目を建設した段階でキャラクター候補に限りが出てきたため、それ以降の立体駐車場では、誰もが分かる絵を重視した選考となり果物や鳥類が採用されています」と空港支援機構の広報担当者は説明します。

ちなみに、P2のリニューアルでは「従前の植物(花)を踏襲するか、新たなキャラクターとするかデザインの検討をおこないましたが、25年間の使用で馴染みのある花を採用しました」とか。

それで6つの花のうち5つが継続利用されることになったようです。

また、P3のサイン変更では「キャラクター選考では、従前の海棲動物を踏襲」したとか。

踏襲したと言いつつも、「ラッコ」「シロクマ」「ウミガメ」が使われなくなってしまったのは、時代にあわず「誰もが知る」という点が弱まっているのかもしれません。

どうやら「ラッコ」は、現在、国内の動物園でほとんど飼われなくなっているとか。

1980~90年代に大人気となった「ラッコ」ですが、最近の若い人には遠い存在になってしまっているのでしょう。

絵のテイストも変わっていた!

ちなみに、今回のリニューアルでは、植物や動物の絵は単体から壁画風へと変わりました。

花であれば、花弁だけでなく茎や葉も含む切り花がモチーフになっています。

P3立体駐車場は、1階「アシカ」、2階「ペンギン」、3階「クジラ」、4階「ラッコ」、5階「イルカ」、6階「シロクマ」、7階「ウミガメ」が、1階「ペンギン」、2階「アシカ」、3階「カメ」、4階「ジンベイザメ」、5階「イルカ」、6階「エイ」、7階「クジラ」と変化した。
P3立体駐車場は、1階「アシカ」、2階「ペンギン」、3階「クジラ」、4階「ラッコ」、5階「イルカ」、6階「シロクマ」、7階「ウミガメ」が、1階「ペンギン」、2階「アシカ」、3階「カメ」、4階「ジンベイザメ」、5階「イルカ」、6階「エイ」、7階「クジラ」と変化した。    鈴木ケンイチ

また、動物の方も同様で、海棲動物ということで水中や岩礁もあわせて描かれています。

P2駐車場はサインだけでなく、トイレまわりも大幅に改修され、バリアフリー化やジェンダーフリー用「誰でもトイレ」の採用、パウダーコーナーの設置などがおこなわれました。

「エレベーター乗り場の壁画風サインは、デフォルメされたキャラクターが明るい色彩とよく馴染んでいるためか、エレベーターまちのお客さまが鑑賞したり写真撮影されている状況をお見かけいたします」

「リニューアル後は、自車駐車位置をお探しになるお客さまが少し減少していることから、駐車階の認識が深まったのではないでしょうか」

「また、現場からは『エレベーターホールが明るくきれいになった』『キャラクターが可愛く子供が喜ぶようなイメージになっている』などの声があると報告を受けています」と空港支援機構の広報担当者。

もしも年末年始の移動で羽田空港の駐車場を利用することがあれば、ぜひともエレベーターホールなどに描かれたキャラクターにも注目してみましょう。絵1つにも、いろいろなストーリーがあるのです。

記事に関わった人々

  • 執筆

    鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。

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