実はジャンボと同期生 ランドローバー・レンジローバーとボーイング747 生産終了を記念 前編
公開 : 2023.01.07 09:45
サルーンの快適性にオフロード性能を融合
ボーイングでチーフエンジニアを務めていたのは、ジョー・サッター氏。彼のチームは、商用航空の分野に飛躍的な変革をもたらした。1度に400名以上の乗客を運べるだけでなく、約970km/hの巡航速度と9800kmの航続距離を実現していた。
ちなみに、ボーイング737の初期型は席数が115名、巡航速度は約930km/h、航続距離は約3000kmだ。移動時間が短縮されただけでなく、1名当たりのコストを大幅に削減することが可能だった。
そんなジャンボジェットの開発が始まる前から、グレートブリテン島ではランドローバー・ブランドの魅力を拡大するモデルの計画が練られていた。とはいえ、レンジローバーの生みの親でさえ、自動車市場へ与える影響の大きさまでは予見していなかった。
「サルーンの快適性やオンロード性能と、ランドローバーのオフロード性能を融合させるというアイデアでした。その頃は、まだ誰も取り組んでいない内容でした」。とローバーのスペン・キング氏が後に振り返っている。
当初生み出された「ロードローバー」は、惜しくも量産化には至らなかった。しかしローバーがブリティッシュ・レイランド傘下に収まると、1960年代後半に開発計画が復活する。当時のアメリカでは、ジープ・ワゴニアが人気を獲得していた。
現在まで受け継がれている、レンジローバーらしいフォルムを描き出したのは、デザイナーのデビッド・ベイチュ氏。別に開発が進められていたモデルの、平面的な面構成から派生したものだった。
この続きは後編にて。