中古車対決! フォード・フィエスタST vs フォーカスRS
公開 : 2014.09.09 23:30 更新 : 2017.05.29 19:33
もちろんダッシュボード周辺やグラフィック・ディスプレイを見れば、相応の年式であることが分かるけれど、何も知らない人ならば、3ヶ月前に納車したばかりの新車ですよと言っても、あるいは信じてしまうかもしれない。
エンジンに火を入れれば、5気筒の発する ’唸り’ とも言えるような音が響き渡る。思わず筆者の鼓動は早くなる。アイドリングの段階で脳内はレース・モードにスイッチされた。フィエスタの4気筒エンジンでは成し得ない芸当である。
ノイズと、そこに潜む逞しさは2台のフォードの立ち位置を大きく分ける側面のひとつだ。フォーカスRSのエンジンは2.5ℓのボルボ製。今となっては燃費は良くなく、CO2排出量は225g/kmとあまり褒められたものではないが、その反面305psと44.8kg-mを発生する。フィエスタと比べると123psと15.2kg-mの優勢だ。路上でもその違いは明確なもの。0-100km/ℓタイムも実に2秒ほどフォーカスの方が速い。
フィエスタのエンジンだって最もホットなエンジンで、1.6ℓのエコブースト・ユニットはほとんど限界近くまでスープアップされているのも事実。低回転から弾けるようにエンジンがまわり、レッド・ゾーンまで力強く吹け上がっていく。
しかしながらRSの方が雄々しく、獲物を睨みつける野獣のような空気感を纏っているのだ。無駄な演出もなく、あくまで速く走ることを突き詰めたが故に生じる必然的なサウンドである。