ルノー16(1965年)

シトロエンは、1939年にトラクシオン・アヴァンを発表し、前輪駆動のハッチバックを初めて世に送り出した。しかし、当時はあまり受け入れられず、商業的な成功は1965年のルノー16が初となる。16は手頃な価格の前輪駆動ハッチバックとして支持を集め、現在に至る乗用車のテンプレートとなったのだ。

ルノー16(1965年)
ルノー16(1965年)

ボルボ140(1966年)

1959年に3点式フロントシートベルトを採用するなど、ボルボは安全性に関する世界初の技術を数多く導入しているため、この記事がボルボで埋め尽くされてもおかしくない。1966年には、140シリーズに初めてクランプルゾーン(衝突時のエネルギーを吸収する機構)が採用された。

時間はかかったが、こうした安全機能は今や自動車にとって不可欠なものとなり、数え切れない人の命を救っている。

ボルボ140(1966年)
ボルボ140(1966年)

NSU Ro80(1967年)

世界初のロータリーエンジン搭載市販車は1964年のNSUヴァンケル・スパイダーだが、ある程度の普及に成功したのは1967年のRo80であった。しかし、ロータリーエンジンの信頼性を高めることができず、結果的にNSUは倒産し、フォルクスワーゲンに買収された。

Ro80では、そのデザインにも注目したい。エアロダイナミクスをまったく新しいレベルにまで高めた、風を切るようなデザインで、業界に与えた影響は小さくないはずだ。

NSU Ro80(1967年)
NSU Ro80(1967年)

レンジローバー(1970年)

ガソリンエンジン車の四輪駆動システムを開発したのはオランダのスパイカーで、1903年にさかのぼる。四輪駆動車が本格的に量産され、大量に使用されたのは、1941年のジープが初と言えるだろう。しかし、その後も長らく実用車向けの技術であったことは否めない。

1970年に登場したレンジローバーは、ラグジュアリーと悪路走破性を両立した、どこにでも行ける高級車である。高級SUVというカテゴリーは今や堅固なものとなり、最新のレンジローバーは依然としてその頂点にある。

レンジローバー(1970年)
レンジローバー(1970年)

トライアンフ・ドロマイト・スプリント(1973年)

1気筒あたり2個のバルブを使用するエンジンは、低速トルクと高速パワーのどちらかを一方を取捨選択しなければならない。しかし、バルブの数を2倍にすれば両方とも手に入れることができる。これに気づいたトライアンフは1973年、初の量産型4バルブエンジンをドロマイト・スプリントに搭載した。

普及には時間がかかったが、10年もすると4気筒の16バルブエンジンが主流になる。写真:後期型

トライアンフ・ドロマイト・スプリント(1973年)
トライアンフ・ドロマイト・スプリント(1973年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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