フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(1976年)

ハッチバックは実用的なファミリーカーであり、スポーツカーと組み合わせるという発想はこれまでなかった。フォルクスワーゲンの技術者が空き時間にゴルフの高性能版を作り、1975年のフランクフルト・モーターショーでゴルフ・スポーツとして発表すると、経営陣を驚かせるほどの反響を呼んだ。

いわゆる「ホットハッチ」の誕生であり、ライバルも参戦して1つのカテゴリーを形成するのに時間はかからなかったのである。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(1976年)
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(1976年)

サーブ99ターボ(1978年)

サーブ99は、史上初のターボチャージャー搭載車ではない。その16年前にはオールズモビル・ジェットファイアが登場していたし、BMW 2002ターボやポルシェ911ターボももっと前から存在している。サーブ99が達成したのは、ターボ車を日常的に乗れるように改良し、普及につなげたことである。

サーブ99ターボ(1978年)
サーブ99ターボ(1978年)

アウディ・クワトロ(1980年)

四輪駆動車についてはレンジローバーの項目で触れたが、アウディ・クワトロは同技術と本格的なパフォーマンスを初めてマッチングさせたクルマである。クワトロはラリーを席巻し、シトロエンBX、プジョー405、ランチア・デルタ・インテグラーレ、スバルインプレッサなど、多くの高性能4WD車が登場するきっかけを作った。

アウディ・クワトロ(1980年)
アウディ・クワトロ(1980年)

プリムス・ボイジャー(1983年)

1984年、ルノーは「欧州初」のピープル・キャリア(ミニバン)となるエスパスを発表するが、その前年、クライスラーダッジ・キャラバンとプリマス・ボイジャーを「世界初」として発表している。

7人乗りで、かつてないほどフレキシブルな室内空間を実現したこのクルマが、その後どれほどの影響力を持ち、大きな人気を博すことになるのか、誰も想像できなかったことだろう。しかし、現在、ミニバンは7人乗りのSUVに取って代わられている。

プリムス・ボイジャー(1983年)
プリムス・ボイジャー(1983年)

BMW M5(1985年)

高性能セダンは以前より存在するが、BMW M5は多くのクルマに模倣された。2代目5シリーズ・セダン(E28型)をベースにした初代M5が発表されたとき、人々はそのパワフル(290ps)なエンジンに驚くと同時に、意外なほどおとなしい外観に魅了された。518iよりわずかにスポーティに見える程度の控えめで親しみやすいデザインは、「Qカー」や「スリーパー」の定義にふさわしい。

BMW M5(1985年)
BMW M5(1985年)

ランドローバー・ディスカバリー(1994年)

3列シートを備えた7人乗りSUVは、今では不動の人気車種となっているが、大勢の人と荷物をどこにでも運べるというコンセプトを世界に広めたのは、ランドローバー・ディスカバリーだ。

1989年の初代ディスカバリーをはじめ、それまでもリアにポップアップ式の臨時シートを備えたSUVはあったが、1994年にデビューしたディスカバリー2は、安全性と快適性を現代的なレベルで実現した跳ね上げ式シートを採用していた。これを真似するのは、簡単なことではない。

ランドローバー・ディスカバリー(1994年)
ランドローバー・ディスカバリー(1994年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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