スタイリッシュさに惹かれる ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク 英国版中古車ガイド 

公開 : 2023.01.15 08:25  更新 : 2023.01.15 10:48

唸らされるほど洗練されたドライビング体験

ドライビング体験は、エンジンに関係なく唸らされるほど洗練されている。高速道路を走っても、風切り音やロードノイズなどは皆無に近い。乗り心地は、18インチ以下のホイールの方が若干ベターだ。

路面状態を問わず、グリップやトラクションも優秀。ランドローバーだから、オフロード性能も侮れない。

ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク P300e(2代目/英国仕様)
ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク P300e(2代目/英国仕様)

運転席からの視界は、前方と横方向は良好。リアピラーが太くリアガラスが狭いため、後方は少し褒めにくい。標準のパーキングセンサーとバックカメラが役に立つはず。インフォテインメント・システムは、先代からの進化が明らか。直感的で理解しやすい。

インテリアの質感は高く、自然素材のテキスタイルを用いたオプション・パッケージなども用意されている。スリークなルーフラインながら、車内空間は前後ともゆとりがある。荷室も大きく、ゴルフクラブ・ケースの運搬も問題ない。

リアシートの背もたれは、40:20:40の3分割式。フラットな広いフロアが出現し、大きな荷物も許容できる。スタイリッシュな見た目以上の実用性を備える点も魅力だ。

トリムグレードとスペック

ベースグレードでも装備に不足はないが、Sグレードにはピヴィ・プロのインフォテインメント・システムなど、有用なアップグレードが施される。20インチ・アルミホイールで足もとを彩るが、乗り心地への影響は小さいと考えていいだろう。

ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク P300e(2代目/英国仕様)
ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク P300e(2代目/英国仕様)

知っておくべきこと

英国の中古車市場では、エントリーグレードのレンジローバー・イヴォーク D150で2万5000ポンド(約400万円)から。2020年から2021年式では3万ポンド(約480万円)へ上昇する。現行モデルということで、まだ価格は高めだ。

燃費は、ディーゼルターボで15.0km/L近くは得られる。ガソリンターボの場合は、グレードを問わず11.0km/L程度。PHEVのP300eの場合、カタログ値は66.9km/Lがうたわれている。

ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク P300e(2代目/英国仕様)
ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク P300e(2代目/英国仕様)

購入時に気をつけたいポイント

リコール

2代目レンジローバー・イヴォークには、幾つかのリコールが報告されている。エアバッグと緊急連絡サービスのシステム、燃料リターンホースの品質、リアシートのシートベルト・アッセンブリーに関わるものが英国での内容となる。

電圧48Vの電気系統についても、トランジスタの不具合を招く可能性があるという理由でリコールが出ている。中古車を購入する場合は、すべて対応済みかどうかディーラーで確認したい。

全般的な信頼性

ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク P300e(2代目/英国仕様)
ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク P300e(2代目/英国仕様)

信頼性はあまり高くない。AUTOCARの姉妹サイトの調査では、ファミリーSUVのカテゴリーで39モデル中36位にランク付けされている。すべての装備や機能が正常に動くか、予め確かめたい。

英国編集部の推しチョイス

ベスト:P300e

2代目レンジローバー・イヴォークでは、PHEVが最速。0-97km/h加速を6.1秒でこなす。市街地は滑らかに、高速道路ではたくましく走ってくれる。駆動用モーターだけで走れる距離は、最長54kmが主張されている。

ワイルドカード:ヒョンデ・ツーソン

実用性に優れた同クラスのSUV。レンジローバー・イヴォークの中古車価格で、ピカピカの新車を狙える。信頼性もクラス1位に輝いている。ブランドやスタイリングの訴求力は別だけれど。

ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク P300e(2代目/英国仕様)
ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク P300e(2代目/英国仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ピアソン

    Mark Pearson

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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