このAMG GTが参入するスーパー・スポーツ市場は混乱しているセグメントでもある。2年前、ランボルギーニは世界的な信用危機を受けて大きな打撃を受けたとコメントした。しかし、その後、この市場は回復している。確かに、ニッチなマーケットではあるが、ここ24ヶ月の間、確実に成長を遂げている。

それを反映してか、マーケットではニュー・モデルのラッシュとなっている。ランボルギーニはウラカンを発表したばかりだし、マクラーレンはP13のコードネームで開発を進めているモデルをこの市場に投入する予定だ。アストン・マーティンも皮肉なことAMGのパワートレーンを搭載したニュー・モデルを計画している。ポルシェはこのクラスのリーダーである911を有しているし、フェラーリも定期的にニュー・モデルを投入してくることだろう。アウディは新しいR8を来年予定している。

だが、AMGにとって、新しいGTの持つ使命は、これらライバルに対抗するためだけの存在ではない。メルセデスは、ここ数年、ユーザーの年齢層を下げることに必死なのだ。AMG GTは、メルセデスの持つ “年老いた” イメージを挽回する大きな鍵であるのだ。