英国の自動車・二輪車メーカーまとめ 前編 個性が強すぎる全106社を総ざらい

公開 : 2023.01.21 18:25

英国に拠点を置く自動車・二輪車メーカー全106社を総ざらい。世界最小のクルマ、自宅で組み立てるスポーツカー、未来的な水素バスに超高級車など、個性豊かな英国の自動車業界。その裾野の広さには驚かされます。

裾野が広すぎる 英国自動車業界

英国車といえば、ミニのような可愛らしい小型車、ジェームズ・ボンドのスポーツカー、王族や貴族を乗せる超高級車など、さまざまなイメージが思い浮かぶだろう。実際、英国(イングランド、北アイルランド、スコットランド、ウェールズ)の自動車産業は裾野が広く、完成車メーカーだけでも両手で数え切れないほど存在する。

今回は、英国で自動車を製造している全企業106社をリストアップしてみた。二輪車や商用車、軍用車メーカーも含めるほか、トヨタ日産など現地で製造する外国企業も取り上げる。以下、アルファベット順に紹介していく。

英国の自動車産業をまるまる見ていこう。
英国の自動車産業をまるまる見ていこう。

ACカーズ

1903年にウェラー・ツーリングカーを発売したACカーズは、世界で最も古い歴史を持つ自動車メーカーの1つである。ウェラー・ツーリングカーは「オートキャリア(Autocarrier)」と呼ばれるようになり、そこから「AC」という略称が生まれ、1907年に社名に採用された。

1960年代の全盛期以降、ACの名を存続させる試みは何度も行われてきた。最近では、代表的なスポーツカーのコブラの新モデルがいくつか発表されている。2.3L 4気筒エンジン搭載車、BEV(電気自動車)仕様に加え、V8ガソリンエンジン搭載の378スーパーブロワーが販売中だ。ただし、このエンジンはフォード製V8ではなく、シボレー製のLS3エンジンであることに注目したい。

ACカーズ
ACカーズ

アラシュ・モーター・カンパニー

アラシュのようなハイテク製品を扱う会社が、テクノロジーの中心地として知られるケンブリッジの近くにあるのは、まさにうってつけと言える。同社は従来のガソリンエンジン車に続いて、ハイブリッド車のAF-10、そして最新EVのインペリアムを発表している。

インペリアムは、車重1150kg以下、600kWのモーターを1基、2基、4基から選択できる電気駆動のハイパーカーだ。ボディはすべてカーボンファイバー製。75台のみ生産される予定だが、価格はまだ決まっていない。既存のAF8は65万ポンド(約1億円)から、AF10は250万ポンド(約4億円)からとなっている。

アラシュ・モーター・カンパニー
アラシュ・モーター・カンパニー

エアロ・サイクル・カーズ

イーストサセックス州に拠点を置くエアロ・サイクル・カーズ社は、2007年から三輪車を生産している。クラシックな見た目のマーリンは、前2輪、後1輪のスポーツ走行にこだわったモデルで、3995ポンド(約65万円)のキットから自分で組み立てることができる。

マーリンのパワートレインはモトグッツィの二輪車用Vツインエンジンで、チェーンドライブではなくシャフトドライブを採用している。広さやスタイルなど、顧客の好みに合わせて細部を調整可能だ。

エアロ・サイクル・カー
エアロ・サイクル・カー

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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