英国の自動車・二輪車メーカーまとめ 前編 個性が強すぎる全106社を総ざらい
公開 : 2023.01.21 18:25
アルクラフト・モーター・カンパニー
アルクラフト・モーター・カンパニーに在籍する面々を見ると、成功する運命にあるように思える。デイヴィッド・アルクラフト氏が率いる同社は、チャールズ・モーガン氏、マシュー・ハンフリーズ氏、ローランド・チェリー氏といった優秀な人員を集めている。彼らの目標は、EV用の「スケートボード」プラットフォームを作ることである。
初期デザインとして、4人乗りのスポーティなクーペが公開されている。アルクラフトは、最高のパフォーマンスを実現するために、英国の技術の粋を集めて重量を最小限に抑え、効率を最大限に高めることを目指すと述べている。カーボンファイバー構造、1回の充電での航続距離640km、0-100km/h加速3.8秒など、掲げる理想は決して低いものではない。
アレクサンダー・デニス
アレキサンダー・デニスは、2004年に2社(アレキサンダー社とデニス社)が合併してできた会社で、スコットランドのフォルカークとラーバート、イングランドのギルフォードに拠点を持つ。合併後、プラクストン社を買収し、現在では英国最大のバスのコーチビルダーとなっている。
アレキサンダーとデニスは、ともに二輪車の製造からスタートし、その後、大型車へと移行していった。デニスの消防車は英国でよく使われていたし、アレキサンダーが1961年に発表したバス「Yタイプ」は大ヒットを記録した。現在では、ディーゼルハイブリッド・バスや完全電動バスを生産し、都市交通の排出量ゼロを目指している。
アラード
シドニー・アラード氏は、戦後間もない時期に、米国製の大排気量V8エンジンの利点をいち早く見出した。彼はこのV8をスポーツカーに使用し、また英国のドラッグレースにも早くから参加するなど、米国から輸入したエンジンに魅了されていた。
アラードはしばらくの休眠を経て、1953年のル・マン24時間レースに出場したJRの生産を再開する。シャシーナンバーはオリジナルから引き継がれ、キャデラックの5.4L V8エンジンと3速MTを搭載。オリジナルとの唯一の違いは、ロンドンのクラップハムではなく、グロスターシャーで製造されていることである。
アルヴィス
アルヴィス・カー・カンパニーは、創業の地コベントリーに近いミッドランド地方のケニルワースに拠点を置いている。1919年に設立され、1994年に社長のアラン・ストートが会社を買収し、現在の事業が開始された。以来、戦前・戦後のさまざまなモデルを再導入している。
その中には、バンデン・プラス・ツアラーやベルテリ・スポーツクーペの4.3L仕様もあるが、燃料噴射装置や6速トランスミッションなど現代的な装備が施されている。ただし、すべて会社に残るオリジナルの図面を使って生産されている。
戦後のコンティニュエーション・クーペとコンバーチブルには、1960年代から保管されていた純正オールドストックエンジンが搭載されているが、使用前には綿密なチェックが行われるなど、さらなる進化を遂げている。アルヴィスの新車価格は25万ポンド(約4000万円)からで、ハンドビルドのため完成までに2年かかるという。
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