英国の自動車・二輪車メーカーまとめ 前編 個性が強すぎる全106社を総ざらい

公開 : 2023.01.21 18:25

アリエル

アリエルは、家内工業的な英国の自動車産業におけるサクセスストーリーの1つに数えられる。サマセット州の田舎町を拠点とする同社の自動車および二輪車のラインナップは、決して退屈なものではない。アリエルは1870年に自転車製造を始め、2000年のアトムで世界にその名を知らしめた。

アリエル・アトムはミドマウントのローバーKシリーズエンジン(最高出力193ps)と小型軽量なデザインにより、素晴らしいパフォーマンスを実現した。後に320psのスーパーカーや、オフロード向けのノマドに発展している。

アリエル
アリエル

また、ホンダ製のエンジンとツインクラッチを搭載したエースというバイクによって、二輪車メーカーとしても再び認知されるようになった。そんなアリエルの最新作は、880kWのモーターを搭載し、0-97km/h加速2.1秒を実現する完全EV「ハイパーカー」である。

ASモータースポーツ

英国の自動車産業は、歴史的なスポーツカーの再現を得意としており、ASモータースポーツのR1ル・マン アストン マーティンDB3Sは、まさにその極致と言えるだろう。外見からはわからないが、ボンネットの下にはジャガーXKエンジンが搭載されている。

R1ル・マンは、ノーフォーク州にある同社の拠点で受注生産され、すぐに乗り回せる状態で納車される。価格は、グラスファイバー製ボディの車両で約9万ポンド(約1400万円)から、手作業で成形されたアルミニウム製を選ぶと13万ポンド(約2000万円)になる。

ASモータースポーツ
ASモータースポーツ

アストン マーティン

アストン マーティンほど、血統書付きのブルドッグのような英国車はない。同社は1台限りのスーパーカーに「ブルドッグ」という車名をつけたほどだ。

1914年、ライオネル・マーティン氏とロバート・バンフォード氏によって設立されたアストン マーティンだが、1922年まで自動車を生産することはなかった。第二次世界大戦後、実業家デビッド・ブラウン氏の下で比較的繁栄を享受していたアストンは、1970年代の燃料危機をきっかけに低迷し、1974年にはわずか20台しか販売できなかった。

アストン マーティン
アストン マーティン

デビッド・ブラウン時代には、ロンドン近郊のフェルサムからニューポート・パグネルに移転し、DBシリーズで成功を収めた。現在はゲイドンを本拠に、ウェールズのセント・アサンにも生産拠点を持ち、現在の販売台数の半分以上を占めるDBXを生産している。ニューポート・パグネルの工場は、現在も同社のワークス・ヒストリック・クラシック事業のために使用されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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