英国の自動車・二輪車メーカーまとめ 前編 個性が強すぎる全106社を総ざらい
公開 : 2023.01.21 18:25
アタランタ・モーターズ
アタランタ・モーターズは、1936年に最初のモデルを発売したとき、自動車産業のエリートの仲間入りをするはずだった。しかし、ロンドン近郊のステインズに拠点を置く同社は、わずか22台を完成させたところで、戦争によって生産が停止された。このモデルは、現在ではコレクターに絶大な人気を誇っており、これが2011年に同社が復活するきっかけとなった。
現代のアタランタはオックスフォードシャーで生産されており、見た目は1930年代だが、中身は別物である。シャシーはアルミ複合材でできており、ディスクブレーキを備え、エンジンはフォード製の2.5L。価格は15万ポンド(約2400万円)から。
BAC
BAC(ブリッグス・オートモーティブ・カンパニー)は、イアン・ブリッグスとニール・ブリッグス兄弟によって設立され、2011年にスポーツカー「モノ」を発表した。サーキットにも対応したロードカーではなく、シングルシーターのサーキット専用マシンを開発したところ、偶然にも公道走行が可能だったという。ケータハム・セブンが大人しく見えるようなクルマだ。
リバプール近郊に本社を置くBACは。モノのコンポーネントの95%を英国内で調達していることを誇りとしている。パワートレインはミドマウントのフォード製4気筒エンジンで、2020年には最高出力350psの2.5Lエンジンを搭載したRモデルを導入した。
ベントレー・モーターズ
現在はドイツ資本だが、ベントレーの生産拠点は第二次世界大戦以降変わらず英国のクルーにある。当初はロンドン北部のクリックルウッド、ロールス・ロイス傘下では一時期ダービーに拠点を構え、年間数百台規模で生産を続けてきた。戦後のモデルのほとんどはロールス・ロイスをベースにしていたが、フォルクスワーゲンの傘下に入ると、全てが変わった。
新型コンチネンタルGTとW12エンジンが導入され、1000台単位で自動車を生産するようになったのだ。それ以来、過去を振り返ることはなかった。2021年には、ベンテイガとフライングスパー(写真)にハイブリッドシステムが採用されたこともあって、1万4659台という記録的な販売台数を達成した。
ボウラー・モータースポーツ
ボウラーは現在、ジャガー・ランドローバーのSVO(スペシャル・ビークル・オペレーションズ)部門に属しているが、その歴史は1984年にまでさかのぼる。オフロード競技用のコブラに始まり、その後ランドローバー・ディフェンダーのような外見の高性能車トムキャットが大人気となった。
会社が成長するにつれ、レースにも意欲的になった。その結果、悪名高いダカール・ラリーに参戦し、2005年には全メーカーの中で最も高い完走率を誇るチームを結成するまでに至った。
画像 自動車大国・英国を代表するブランド【ケータハム、ベントレー、アストン マーティン、BAC、アリエルを写真で見る】 全103枚