英国の自動車・二輪車メーカーまとめ 前編 個性が強すぎる全106社を総ざらい

公開 : 2023.01.21 18:25

デニス・イーグル

世界をリードする英国メーカーの代表格といえば、デニス・イーグル。同社の塵芥車(ごみ収集車)は廃棄物・リサイクル業界の最先端を走っているが、英国人でさえこの会社のことを知る人はほとんどいない。塵芥車用の車体やシャシーなど、年間1000台以上を製造し、世界中に輸出している。

また、デニス・イーグルはエコレクトモデルというEVも販売する。ゼロ・エミッションとほぼ無音の走行を実現し、都市環境での使用に最適とされている。

デニス・イーグル
デニス・イーグル

ドウセッツ・クラシックカー・カンパニー

ドウセッツ社は、アストン マーティンDB4ザガートやマセラティ300Sに影響を受けてクルマを作り始め、コメット、バルケッタなどを販売。最近では、ティーポ184が同社の代表的な製品となっている。同社の代表でテレビ司会者のアント・アンステッド自身がワンオフで製作した車両からインスピレーションを受けたものだ。

ティーポ184は、マツダMX-5(ロードスター)のコンポーネントをベースに、1950年代のアルファ・ロメオF1マシンを彷彿とさせるシングルシーターとしている。スターターキットの価格は1万2075ポンド(約190万円)+付加価値税で、ドナー車のMX-5を調達する必要がある。

ドウセッツ・クラシックカー・カンパニー
ドウセッツ・クラシックカー・カンパニー

ダットン

ティム・ダットン氏という名前は、英国のキットカー業界を少し知っている人なら、誰でも聞いたことがあるだろう。彼は、シンプルで手頃な価格の自作車をベースに一大帝国を築き上げ、1969年から1989年の間に8000台以上を売り上げた。その後、水陸両用車に目を向け、現在に至る。

ダットン・リーフは7代目フォードフィエスタを、四輪駆動車のサーフはスズキジムニーをベースにしている。どちらも公道走行可能で、陸上から水中、そして水上に戻ることができる。キットカーとして購入できるほか、ウェストサセックス州リトルハンプトンにある同社の拠点で製作を依頼することもできる。ティム・ダットンは2022年末に会社を売りに出している。

ダットン
ダットン

イーグルEタイプ

ヘンリー・ハーマン氏は1984年にイーグルEタイプ社を設立し、サセックスの拠点でお気に入りのジャガーを完璧にレストアしてきた。その後、クラシックカーのレストモッドを手掛けるようになり、1991年には現代の水準で製造されたジャガーEタイプを発表。新車当時よりも優れたクラシックカーを作るというアイデアを広めた1人だ。

イーグル社はレストアサービスと並んで、スピードスター、GT、ロードラッグ、ライトウェイトの各モデルを販売している。いずれも生産台数はごくわずかであり、完成まで時間がかかるため、納車7年待ちとなることもある。ライトウェイトの生産には8000時間を要し、価格は約75万ポンド(約1億1800万円)だが、それでも12台しか作られなかったオリジナルのEタイプ・ライトウェイトを見つけて購入するよりも安い。

イーグルEタイプ
イーグルEタイプ

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事