英国の自動車・二輪車メーカーまとめ 中編 個性が強すぎる全106社を総ざらい

公開 : 2023.01.21 18:45

ホーク・カーズ

ホーク・カーズは、イーストサセックス州を拠点に、キットカーとクラシックカーの両分野を軽々とこなしている。これを可能にしているのは、パーツ制作の質の高さだ。ACコブラとその忠実なレプリカでは、さまざまなバリエーションを展開しており、中でも繊細なボディの289が人気を集めている。

ジェリー・ホークリッジ氏が率いる同社は、コブラを約400台製造したほか、ACエースのレプリカとランチア・ストラトスのレプリカも手掛けている。どちらもその完成度は高く評価されており、オリジナル車オーナーもパーツを買い求めているという。

ホーク・カーズ
ホーク・カーズ

ホンダ

欧州におけるホンダの一大拠点が英国に置かれていたため、ここで紹介しておきたい。ホンダのスウィンドン工場は1992年に生産を開始し、最大で年間15万台の生産能力を持つとされた。スウィンドンの北東に位置するこの工場は、タイプRを含むシビックの生産拠点となり、69秒に1台のペースで出荷されていった。敷地面積は370エーカー、従業員数は3000人以上。

ホンダは1985年にこの土地を取得し、当初はエンジンの納車前点検に使用していた。1989年からはエンジンを製造するようになり、1992年に自動車生産が開始された。残念ながら、スウィンドン工場は2021年に閉鎖され、ホンダの生産拠点は英国から撤退した。

ホンダ
ホンダ

アイベックス・ビークルズ

1990年にジョン・フォアズ氏が設立したフォアズ社から発展したアイベックス・ビークルズ。究極のオフローダーを独自の手法で提供し続けている。さまざまなニーズに合わせてカスタマイズ可能で、膨大な数のボディタイプから選ぶことができる。四輪だけでなく六輪の設定もあり、いずれもアーティキュレーションが大きく、オフロード走破性が抜群に高い。完成車、キットともに販売されている。

アイベックス・ビークルズ
アイベックス・ビークルズ

イネオス

英国の化学会社大手イネオスが新たに立ち上げた自動車部門では、CEOのジム・ラトクリフ氏自ら発案したオフロード車、グレナディアを製造する。車名の由来となったのは、新型車の構想を練ったパブだという。デザインはご覧の通り、初代ランドローバーディフェンダーに大きく影響を受けている。

価格は4万ポンド(約630万円)からで、生産が本格化すれば年間2万5000台を出荷するとしている。当初、南ウェールズで製造する予定だったが、最終的にはフランスにあるスマートの工場が拠点となった。設計と開発は引き続き英国で行われる。

イネオス
イネオス

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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