英国の自動車・二輪車メーカーまとめ 後編 個性が強すぎる全106社を総ざらい

公開 : 2023.01.21 19:05

ロールス・ロイス・モーターカーズ

ロールス・ロイスは2021年に5586台を製造した。有名企業にしては少なく聞こえるかもしれないが、製造・販売台数では過去最高を達成したのだ。この数字はSUVのカリナンに助けられたものだが、英国の高級車ブランドを象徴するロールス・ロイスがこれまで以上に求められていることの証である。

もちろん、ロールス・ロイスはBMWの所有だが、車両の組み立てはイングランド南岸にあるグッドウッド工場で行われている。また、内装に使われるウッドやレザー、ボディの塗装を期待通りの水準に仕上げるために、多くの工程が職人の手作業によって進められている。ファントムの45万820ポンド(約7000万円)という価格には説得力がある。

ロールス・ロイス・モーターカーズ
ロールス・ロイス・モーターカーズ

ロナート

1950年代のF1マシンにインスパイアされたロナートW152は、こう見えても公道走行可能なクルマであり、キットカーまたは完成車として購入できる。アーサー・ウォルステンホルム氏の作品であり、強固なスチール製シャシーにジャガーXJのドライブトレインを搭載している。エンジンもジャガー製で、購入者の多くはオーセンティックな雰囲気を出すためにXKの直6かV12を選択するという。

ピーターバラに拠点を置くロナートは、V8エンジン搭載のライトニングというモダンなクーペも製造してきた。しかし、現在はW152に集中しており、仕様にもよるが、約6万9000ポンド(約1000万円)から販売されている。

ロナート
ロナート

RML

RMLは、レーシングドライバーおよびエンジニアとして申し分のない経歴を持つレイ・マロック氏(社名のRMの由来)が立ち上げた会社である。同様に、フェラーリ250GT SWBにインスパイアされた250ショートホイールベースも素晴らしい経歴を持つ。550マラネロをベースとしているが、一般的なレストアレストモッドを施したものではない。RMLショートホイールベースは、550のシャシー、サスペンション、ブレーキ、5.5L V12を受け継ぎ、新しいクルマに生まれ変わったのだ。

30台の限定生産で、ノーザンプトンシャーの拠点で膨大な時間をかけて1台ずつ完成させるため、価格は160万ポンド(約2億5000万円)からとなっている。

RML
RML

ロトダマ

ロトダマ社は、古いランドローバー・ディスカバリーを全地形型トラックに再生する。この改造作業は、ワイト島の拠点で行うことも、購入者が自宅で行うこともできる。主に農業や鉱業に携わる事業者を顧客としているようだ。

中古のディスカバリーをベースに、2.5LターボディーゼルエンジンまたはV8ガソリンエンジンを搭載。オーバーハングを最小限に抑えているためオフロード性能に優れ、シングルキャブ仕様とダブルキャブ仕様を用意している。価格は約2万4000ポンド(約380万円)から。

ロトダマ
ロトダマ

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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