日産エクストレイルと7シーター・ライバル達
公開 : 2014.09.10 23:30 更新 : 2021.04.22 13:28
英国版AUTOCARは、つい先日フォード・トルネオ・グランド・コネクトをテストした。この車名を聞いてピンとくる人は、かなり熱心な読者に違いない。日本では未発売の7人乗りのMPVである。
実のところこのクルマはわれわれをかなり驚かせた。決して見た目に流麗と言うほどではないのだけれど、実用性は同サイズのグループでも群を抜くからだ。特に後方の荷室容量は使い勝手ともにこのクルマに及ぶものはない。
したがって商用車両としては絶大なる支持を得ている。ただしどちらかというとニッチ市場に的を絞って開発されたクルマであるから、グループテストとなるとややその安定感は揺らぐことになる。
作業着を着てフォード・トルネオに乗るか、あるいはお洒落な格好をしてSUVに乗るか。きっと多くの人は後者を望むに違いないのだ。
少し前まで過渡期にあった7人乗りのSUV市場。今や心なしか落ち着いた感はあるけれど、しかしながら依然として各社SUVの開発に心血を注いでいるのは事実。日産エクストレイルだって例に漏れずだ。
かつてはホットハッチに情熱を捧げた男たちが、子どもを持った時にも満足できるファミリーカー。そう考えた時に有力候補として挙がることを日産は望んでいる。
期待を背負ってデビューしたエクストレイルがSUVのライバルやMPVとどのような戦いを繰り広げるのかを見ていくことにする。
フォードS-マックスやセアト・アルハンブラ、プジョー5008などのMPVの象徴とも言えるルックスを纏ったモデルたちと比べると、エクストレイルはそのルックスにアドバンテージがある。実用性はMPVにやや劣るのだが、それでも ’きちんとした’ ボンネットが確保され、そこからキャビンへと続くAピラーを見れば、やはり垂直にそそり立つMPVのそれよりも馴染みやすい。