愛着の湧く小さなボディ スズキ・イグニスで1週間を過ごす 悪路性能は想像以上 前編

公開 : 2023.01.30 08:25

水曜日 落ち着きある高速道路での乗り心地

筆者の通勤距離はかなり長い。自宅からオフィスまで片道160km以上もある。そのうち、高速道路が7割で一般道が3割を占める。カーブの場所や路面の起伏まで、正確に記憶している。

一般的なコンパクトカーの場合、多少の妥協や我慢が求められる移動といえるが、イグニスは違う。想像以上に快適に運転できる。

スズキ・イグニス 1.2ブースタージェット・ハイブリッド 4WD SZ5(英国仕様)
スズキ・イグニス 1.2ブースタージェット・ハイブリッド 4WD SZ5(英国仕様)

もちろん、83psだから高速道路が得意科目とまではいえない。一般道での追い越しには、シフトレバーとクラッチを積極的に操る必要がある。

100km/h近くになると、エンジン音は想像ほどうるさくないものの、直立気味のフロントピラーから風切り音が目立ちだす。リア・サスペンションはリジットアクスルで、凹凸のある区間では若干落ち着きに欠ける。

しかし、ワイドなトレッドで、高速道路での乗り心地には落ち着きがある。シートの座り心地も素晴らしい。筆者のように身長の高いドライバーでも、窮屈な印象はまったくない。運転席からの視認性にも不満はない。

カップホルダーには、コーヒーを入れた大きめのマグもちゃんと入る。疲れた時の休憩は欠かせない。

この日までの燃費は、112.5km/hの平均スピードで約18.0km/L。車重は940kgと軽く、マイルド・ハイブリッドだということを考えても、悪くない数字だと思う。

燃料タンクは30Lしかないが、長距離旅行を頻繁に楽しむような乗り方でなければ、大きな不満は抱かずに済むだろう。実際、長距離通勤には問題なく使えている。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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