フォルクスワーゲン・ポロTSIコンフォートライン

公開 : 2014.09.11 23:50  更新 : 2021.10.11 09:06

マイナーチェンジによって、エクステリアのディテールは若干変化したものの、直感的に優れた機能性を感じさせるシルエットそのものには変化はない。インテリアではシートのデザインを一新したことなどで、より実用的で質感の高い空間が生み出されている。世界中の自動車メーカーが、新型コンパクト・ハッチバックを生み出す時に、ベンチマークとしてVWポロの名前をまず掲げる理由はここにあるのだと、再確認させられた次第だ。

新タイプのエンジンは、スペックの上ではパワーダウンという結果になったものの、実際にそれを使ってみると、前作よりも明らかに魅力的なフィーリングであることが分かる。実用域でのトルクは必要十分なものだし、組み合わされる7速DSGの動きも、よりナチュラルで魅力的なものになったという印象を受ける。高速道路では、アダプティブ・クルーズ・コントロールの機能を体験してみたが、同様のシステムを採用する他社のモデルと比較しても、その制御は非常に的確で好感が持てる。

一方でやや残念な印象を受けたのは、乗り心地だ。VWは今回の新型ポロでは、前席2名乗車、後席を含めた4名乗車のほかに、前席2名でのコンフォート設定ともいえるタイヤの空気圧を指定しているが、標準的な2名乗車の指定空気圧では、低速域ではやや路面からの突き上げが大きく感じられた。上級モデルのゴルフとの決定的な違いは何かと問われれば、個人的にはそのひとつに、この乗り心地をあげるだろう。

■「買い」か?

ドイツ車のビッグ・マイナーチェンジは、常に我々を驚かせてくれる。VWポロに関しても、もちろんそれは同様にいえること。コンパクト・ハッチバックとしての機能性をきちんと確保しながら、デザインでも、そして走りでも、VWとしての個性を主張しているのも嬉しい。コスト・パフォーマンスの高さ、そしてVWというブランドのバリューを考えれば、選ぶ価値は十分に高い。

(文・山崎元裕 写真・花村英典)

フォルクスワーゲン・ポロTSIコンフォートライン

価格 2,239,000円
燃費 22.2km/ℓ
CO2排出量 105g/km
乾燥重量 1130kg
エンジン 直列4気筒1197ccターボ
最高出力 90ps/4400-5400rpm
最大トルク 16.3kg-m/1400-3500rpm
ギアボックス 7速デュアル・クラッチ

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記事に関わった人々

  • 山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。

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