最高のハンドリングを誇る前輪駆動車 20選 FFでも楽しめることを証明したクルマたち

公開 : 2023.01.29 18:05

スポーツカーの命とも言えるハンドリング。本来なら苦手とされる前輪駆動車ですが、それでも優れたハンドリングを誇り、運転の楽しさを教えてくれるものも少なくありません。今回は欧州で高く評価されるFF車を紹介します。

運転の楽しいFF車 ハンドリングに優れているのは?

スポーツカーに求められる要素の1つにハンドリングがある。ハンドリングというと、後輪駆動車(FR)や四輪駆動車(4WD)にスポットが当たることが多い。

これは基本的に、グリップとバランスの良さが理由である。しかし、フロントに搭載したエンジンで前輪を駆動する前輪駆動車(FF)では、ハンドリングが楽しめない……というわけでは決してない。

欧州でハンドリングが高く評価されている前輪駆動車を20台紹介する。
欧州でハンドリングが高く評価されている前輪駆動車を20台紹介する。

今回は、優れたハンドリングを誇り、運転の楽しさを証明した前輪駆動車を紹介していきたい。

フォード・プーマ

1990年代の欧州は、マツダがMX-3(ユーノス・プレッソ)、オペルがティグラ、フィアットバルケッタを送り出していた時代。後半に差し掛かった1997年、フォードはイアン・カラム氏のデザインによるプーマを投入する。

1.4L、1.6L、1.7Lと複数のバリエーションがあったが、ヤマハが開発した最高出力125psの1.7L仕様が特に好まれた。車重1039kgの軽さを活かし、0-100km/h加速では9秒強を誇った。

フォード・プーマ
フォード・プーマ

シャシーには4代目フィエスタのものを流用し、サスペンションとトレッドを改良することで、より軽快なハンドリングを実現している。1999年には、ラリーのホモロゲーションに対応するため、よりワイドなフェンダー、カムシャフトとエグゾーストの強化、そして約30psのパワーアップを果たしたレーシングプーマが登場した。

ホンダ・インテグラ・タイプR

前輪駆動車として最高のハンドリングと評されたインテグラ・タイプRは、後に続くタイプRシリーズのベンチマークとなった。大型リアウイングで揚力を30%低減しつつ、フロントのエアロリップで高速走行時の安定性を確保している。

シャシーでは、サブフレームを強化し、スポット溶接を追加して剛性を高めた。ダブルウィッシュボーン式サスペンションと15インチのアルミホイールを装着し、フロントガラスは10%薄くして重量を抑えている。走りを磨くために、無駄をとことん削ぎ落としたモデルである。

ホンダ・インテグラ・タイプR
ホンダ・インテグラ・タイプR

ミニ・クーパー

ミニは現在、クーパーシリーズを中心に人気を集めているが、初代クーパーはゴーカートのようなハンドリングと「ジャイアントキラー」としてのステータスを獲得したモデルである。

従来のスプリングの代わりにラバーコーンサスペンションが採用され、独特の乗り心地と四輪が各コーナーに押し出されるような動き、低重心と短いサスペンショントラベルによって鋭いコーナリングを実現した。1963年には、よりパワフルな1.1Lエンジンと大型ディスクブレーキを搭載した「S」モデルが発売された。

ミニ・クーパー
ミニ・クーパー

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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