最高のハンドリングを誇る前輪駆動車 20選 FFでも楽しめることを証明したクルマたち

公開 : 2023.01.29 18:05

ロータスエランM100

ロータスといえば後輪駆動の軽量スポーツカーだが、エランM100はマツダMX-5(ロードスター)に対抗して作られた、ロータス流の前輪駆動車であった。当初は後輪駆動とする計画もあったが、最終的に前輪駆動に落ち着いた。

高剛性のスチール製バックボーン・シャシーに軽量なコンポジットボディーをまとい、フロントサスペンションにはダブルウィッシュボーン式を採用。さらに、トルクステアを軽減するための「コンプライアンス・ラフト」が高剛性のブッシュで取り付けられている。

ロータス・エランM100
ロータス・エランM100

しかし、当時ロータスファンの多くは前輪駆動を見過ごすことができず、4700台しか販売されなかった。その後、キアがこのデザインを採用し、韓国と日本で1056台が販売されている。

ルノー・クリオ182トロフィー

ルノー・スポール車は数多く存在するが、中でもクリオ182トロフィーは、ウィリアムズのコンパクトなフィーリングと現代の200カップの性能を併せ持つ象徴的なモデルである。

スポーティな182カップをベースに、ザックス製のラリー用リモートリザーバーダンパーをフロントアクスルに追加し、ボディコントロールを最適化。コーナリングでもほとんど傾かないようにした。車高も10mm下げている。激しいコーナリング時には、アンダーステアではなく、リアを流して走れるようになった。

ルノー・クリオ182トロフィー
ルノー・クリオ182トロフィー

プジョー205 GTi

205 GTiには最高出力105psの1.6L仕様と132psの1.9L仕様があり、フロントはマクファーソン・ストラット、リアはコンパクトなトレーリングアーム式で、ハンドリングは上級車に匹敵するほどであった。

1.9L仕様では、サスペンションの調整によってピッチとロールを抑え、初期の1.6L仕様に見られたアンダーステアに対処している。価格性能比の高さから人気が高まり、現在でも世界最高の前輪駆動車の1つとみなされている。

プジョー205 GTi
プジョー205 GTi

フォルクスワーゲン・ゴルフGTIクラブスポーツS

ホンダシビック・タイプRやルノー・スポール・メガーヌ275トロフィーRも過激なモデルだが、フォルクスワーゲンはゴルフGTIをさらにアップグレードしたクラブスポーツSを送り込む。リアシートを取り外して30kgの軽量化を実現したハードコアモデルだ。

最高出力310psを発揮し、専用のダンパーチューニング、キャンバーの拡大、軽量なアルミ製フロントサブフレーム、ミシュラン・パイロット・スポーツカップ2タイヤにより、ブランド史上最速のゴルフとなった。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTIクラブスポーツS
フォルクスワーゲン・ゴルフGTIクラブスポーツS

フロントスプリッターとリアウィングが生み出すダウンフォースにより、60kgの揚力を削減。わずかながらも、これにより完璧なシャシーバランスを獲得している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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