7500ccでたったの150馬力? 非力な大排気量車 20選 環境規制に苛まれた悲運のアメ車たち

公開 : 2023.02.04 18:05

キャデラック・フリートウッド(1975年)

キャデラックは1975年モデルから、8.2L V8をほとんどの車種に導入した。4バレル・キャブレターを搭載し、出力は前年のエルドラドの210psから187psに低下している。同年追加されたセビルは、オールズモビル製の5.7L V8を搭載し、電子燃料噴射装置によって177psを発揮、排気量に対する出力比が改善された。

1.0Lあたりの出力:23ps(8.2L)、31ps(5.7L)

キャデラック・フリートウッド(1975年)
キャデラック・フリートウッド(1975年)

シボレーコルベット(1975年)

シボレー・コルベットは、排出ガス規制と石油危機が米国車に及ぼした影響を見事に体現している。

1974年モデルには、最高出力250psを発生する5.7L V8が標準装備されていた。しかし翌年、シボレーは圧縮比を下げ、触媒コンバーターを追加し、同じエンジンから165psを発生させるようになったのだ。そのまた翌年には、180psまで上昇している。

シボレー・コルベット(1975年)
シボレー・コルベット(1975年)

1.0Lあたりの出力:44ps(1974年)、29ps(1975年)、31ps(1976年)

シボレー・モンツァ(1975年)

シボレーは欧州のデザイントレンドを意識して新型車を開発し、モンツァというイタリアンな車名を与えたが、その皮下には臆面もなくアメリカンエンジンが隠されていた。

ベガをベースに、77psの2.3L 4気筒エンジンを標準装備し、オプションで108psの4.3L V8を選ぶことも可能だった。また、カリフォルニア州で販売された車両には、153psの5.7L V8が搭載された。

シボレー・モンツァ(1975年)
シボレー・モンツァ(1975年)

1975年のモデルイヤーでは、6万6615台のモンツァが販売され、そのうちV8搭載車は2万4957台であった。より大排気量のカリフォルニア仕様は、1975年時点で296ドル(現在では約18万円)だった。

1.0Lあたりの出力:33ps(2.3L)、25ps(4.3L)、27ps(5.7L)

マーキュリー・マーキー(1975年)

悠然とした体格のマーキュリー・マーキーには、1975年モデルで最高出力156psの7.5L V8が用意された。燃料は2バレルのキャブレターから供給される。より高級なマーキス・ブロアムとグランドマーキー(写真)には、4バレルキャブレター付きの215psのV8が搭載されたが、出力向上は明らかに燃費を犠牲にしたものであった。

1.0Lあたりの出力:20ps(2バレル7.5L)、27ps(4バレル7.5L)

マーキュリー・グランドマーキー(1975年)
マーキュリー・グランドマーキー(1975年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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