7500ccでたったの150馬力? 非力な大排気量車 20選 環境規制に苛まれた悲運のアメ車たち
公開 : 2023.02.04 18:05
ポンティアック・ベンチュラ(1975年)
1975年モデルのポンティアック・ベンチュラは、シボレー製の4.1L 6気筒エンジンを標準搭載し、最高出力は103psとされた。V8エンジン搭載モデルには、オールズモビルから借用した4.3L(108ps)が搭載された。オプションとして、163psと173psの5.7L V8が用意されていた。
2ドア・クーペと3ドア・ハッチバックの2種類が用意されたベンチュラは、現代のアウディA7スポーツバックのようなモデルとして注目を浴びた。しかし、ポンティアックが期待したほどには人気が出なかった。
1.0Lあたりの出力:25ps(4.1L)、25ps(4.3L)、28ps(5.7L)、30ps(5.7L)
アルファ・ロメオ・スパイダー(1976年)
特にカリフォルニア州の規制が他に比べて厳しくなると、欧州車メーカーも排出ガス規制に苦慮した。1970年代、アルファ・ロメオは排気熱を取り込む装置やエアポンプ、触媒コンバーターなどの排出ガス対策を施したモデルを製造した。
これらの装備は、エンジンから貴重なパワーを奪ってしまう。スパイダーの2.0L 4気筒エンジンは1973年モデルで130psを発揮したが、1976年には112psに低下し、1990年モデルで120psに上昇するなど上下を繰り返した。
1.0Lあたりの出力:65ps(1973年)、56ps(1976年)
プリムス・ヴォラーレ(1976年)
プリムスはヴァリアントの後継車として1976年にヴォラーレを発売した。3.7L直6エンジン「スラント6」は100psを標準としているが、別に用意された5.2Lと5.9LのV8がそれぞれ150psと170psを発揮する。
このV8エンジンは「ロードランナー」と呼ばれ、205ドル(現在で約11万円)で販売された。ロードランナーという名称は、1968年の7.0LヘミV8で最大431psを発揮するマッスルカーに由来する。ロードランナーの変わりようは、パフォーマンスの定義がどのように変化したかを示している。
1.0Lあたりの出力:27ps(3.7L)、29ps(5.2L)、29ps(5.9L)、62ps(7.0L)
オールズモビル・ナインティ・エイト(1976年)
オールズモビルは1976年モデルを最後に、由緒ある7.5L V8を引退させた。ナインティ・エイトでは190ps、トロネードでは215psを発揮するもので、オールズモビルの企業平均燃費に鉛のように重くのしかかっていたのだ。
そして1977年、ナインティ・エイトは賢明にも5.7Lにダウンサイジングされたが、185psを発揮する6.6Lがオプションで設定された。第二次石油危機が米国全土に衝撃を与えた1979年、出力は175psに低下した。
1.0Lあたりの出力:25ps(7.5L、ナインティ・エイト)、27ps(7.5L、トロネード)、28ps(6.6L、1977年)、26ps(6.6L、1979年)