7500ccでたったの150馬力? 非力な大排気量車 20選 環境規制に苛まれた悲運のアメ車たち
公開 : 2023.02.04 18:05
AMCマタドール(1978年)
AMCマタドールは、1974年の徹底的なモデルチェンジから4年でその生涯を閉じた。発売当初の98psから120psパワーアップした4.2L直6エンジンを搭載して1978年を迎え、オプションで140psの5.9L V8も選択可能だった。1978年時点でV8は190ドル(現在で約9万円)とされた。
重い荷物の運搬や牽引を目的に設計されたワゴンタイプのマタドール・エステートは、V8を標準装備している。
1.0Lあたりの出力:28ps(4.2L)、24ps(5.9L)
ビュイック・リーガル(1979年)
カリフォルニア州では、ビュイックのセンチュリーやリーガル(写真はクーペモデル)を購入する際、オプションで115psしか出せない5.0L V8が選択肢に入っていた。カリフォルニア仕様には、電子制御式キャブレターと三元触媒コンバーターが装備される。
他州で標準装備されていた3.2L V6(105ps)よりもわずかに強力であったが、カリフォルニア以外の49州では最高出力150psの4.9L V8を選ぶことができた。
1.0Lあたりの出力:33ps(3.2L)、31ps(4.9L)、23ps(5.0L)
リンカーン・コンチネンタル(1979年)
1979年モデルでは、リンカーン・コンチネンタルに搭載されるV8は7.5Lから6.6Lにダウンサイズされ、出力も210psから159psに低下した。また、4バレル・キャブレターをより効率の良い2バレルに交換している。リンカーンのフラッグシップモデルであるマークVも同様の変更を受けた。
1.0Lあたりの出力:28ps(1978年)、24ps(1979年)
シボレー・コルベット(1980年)
シボレー・コルベットは、1980年モデルで魅力を削がれてしまう。カリフォルニア州で5.7L V8エンジンの認証を取得するには膨大な費用がかかるため、製品担当者はタオルを投げ捨て、180psの5.0L V8を搭載してカリフォルニア州へ送り込んだのだ。他の49州で採用されている4速MTはなく、3速ATが採用された。その結果、コルベットの名を冠したスポーツカーの中で最も説得力に欠ける1台となってしまった。
他の州では、標準のエンジン出力は190psとそれほど高くはなかったが、圧縮比を高めて230psとしたバリエーションも設定された。シボレーは高出力モデルに595ドル(約22万5000円)という価格をつけ、カリフォルニア州では50ドル(約1万9000円)としたが、州特有の排出ガスシステムに対して250ドル(約9万5000円)を追加で支払わなければならなかった。コルベットの年間販売台数が1979年モデルの5万3807台から1980年の4万614台に落ち込んだのは、おそらく偶然ではないだろう。
1.0Lあたりの出力:36ps(5.0L)、33ps(5.7L、標準圧縮)、40ps(5.7L、高圧縮)