7500ccでたったの150馬力? 非力な大排気量車 20選 環境規制に苛まれた悲運のアメ車たち

公開 : 2023.02.04 18:05

ダッジ・ミラーダ(1980年)

クライスラー・コルドバと密接な関係にあったダッジ・ミラーダの1980年モデルは、最高出力90psの3.7L直6を標準とし、120psの5.2L V8も用意された。さらに、オプションのCMXパッケージでは、4バレル・キャブレターで185psを発生する5.9L V8が搭載された。

1.0Lあたりの出力:24ps(3.7L)、23ps(5.2L)、31ps(5.9L)

ダッジ・ミラーダ(1980年)
ダッジ・ミラーダ(1980年)

フォード・サンダーバード(1980年)

フォード・サンダーバードは、ダウンサイジングによって大きな打撃を受けた。1980年モデルでは、最高出力115psの4.2L V8が標準となっているが、特別仕様のシルバー・アニバーサリー・エディションでは131psに強化される。シルバー・アニバーサリーに興味がなくとも、追加料金を払えば後者のエンジンを選択することができた。

1.0Lあたりの出力:23ps(標準)、26ps(オプション)

フォード・サンダーバード(1980年)
フォード・サンダーバード(1980年)

キャデラックV8-6-4エンジン(1981年)

燃料費の高騰と排出ガス規制の強化に対して、キャデラックは巧妙な解決策を見出した。イートン社との提携により、最高出力140psの6.0L V8を開発。気筒休止システムを採用し、大パワーが必要ないときは4.5L V6または3.0L V4としてクルマを走らせることができるのだ。

マイクロプロセッサーでどのシリンダーを停止させるかを判断し、ソレノイドに信号を送り、吸排気バルブを閉じる仕組みである。そして、アクセルを深く踏み込むと同時に、全8気筒が作動する。設計思想的にはうまくいき、1981年モデルからはセビルを除くキャデラックの全車種に標準装備されるようになった。

キャデラック・クーペ・ドゥビル(1981年)
キャデラック・クーペ・ドゥビル(1981年)

しかし、その複雑さ故にすぐに問題が発生し、迅速に解決することができなかった。最終的に、ディーラーで気筒休止システムを無効化するという強引な手法を取ることになった。キャデラックは1981年モデル以降、V8-6-4エンジンを廃止し、大幅にダウンサイジングされた125psの4.1L V8エンジンに置き換えた。

1.0Lあたりの出力:23ps(6.0L)、30ps(4.1L)

ポンティアック・ファイヤーバード(1982年)

1982年モデルのポンティアック・ファイヤーバードで最もパワフルなエンジンは、145psにチューンされた5.0L V8である。しかし、標準装備の90ps、2.5L 4気筒エンジン「アイアンデューク」に比べればマシだった。なお、中間グレードとして112psの2.8L V6を選ぶこともできる。

また、ファイヤーバード・トランザムには、出力が165psに向上したフューエルインジェクション仕様の5.0Lも用意されていた。

ポンティアック・ファイヤーバード(1982年)
ポンティアック・ファイヤーバード(1982年)

1.0Lあたりの出力:36ps(2.5L)、40ps(2.8L)、29ps(キャブレター仕様の5.0L)、33ps(フューエルインジェクション仕様の5.0L)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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