アウトドア派のための次世代SUV アウディ 悪路もイケる高性能EVコンセプト公開
公開 : 2023.01.27 18:25
アウディは、レベル4の自動運転機能を搭載した次世代EVコンセプト「アクティブスフィア」を公開しました。SUVでありながら、ピックアップトラックのような荷台を併せ持つ機能的な1台。開発者の狙いとは。
アクティブなライフスタイルに応えた1台
アウディは1月26日、新たなEVコンセプト「アクティブスフィア」を公開した。高度な自動運転機能とオフロード性能、ピックアップトラックのような荷台を特徴とする。
アウディはこれまで、次世代車コンセプトとしてグランドスフィア、スカイスフィア、アーバンスフィアといった3台の「スフィア」シリーズを披露してきた。今回のアクティブスフィアは、その最新作にあたる。
その名が示すように、「アクティブ」なライフスタイルに応えることに重点を置いて設計され、高い機能性とオフロード性能を備えているという。
また、シングルフレームのフロントグリル、有機ELのヘッドライト、リアフェンダーなどの一部のデザイン要素は、今後の市販車にも反映されるとのことだ。
アウディのデザイン責任者マーク・リヒテ氏は、同社の取締役会でアクティブスフィアを提示したとき、役員が「恋に落ちた」と述べた。しかし、今後3年間の優先課題は「アウディ史上最大の製品投入」であり、A3、A4、A6、Q5、Q7といった既存モデルを新しいモデルラインに置き換える予定のため、2026年まで発売はありえない、とも述べている。
リヒテ氏は、将来的にA6オールロードクワトロやA7スポーツバックの後継としてアクティブスフィアが量産化される可能性を示唆した。
「現在、アウディにはA6、A7、そして(A6)オールロードがあります。そして、例えばの話ですが、『アウディ・オールロード2.0』がその未来なのかもしれません」
アクティブスフィアは、アウディとポルシェが開発中の新しいEV用プラットフォーム「PPE」をベースとしている。理論的には約100kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は600kmを「はるかに超える」とされ、800V電源により最大270kWの充電が可能だそうだ。
2基の電気モーター(前後に1基ずつ)から、最高出力442ps、最大トルク73.4kg-mを発揮し、0-100km/h加速5.0秒以下を実現する。つまり、現在のV6エンジン搭載のS7スポーツバックよりもパワフルで速いということになる。
次世代のデザイン オフロード性能も
リヒテ氏によれば、アウディのデザインは3年ごとに進化しており、アクティブスフィアは次世代車の特徴を示すヒントを与えてくれるとのことだ。
最も顕著なのは、2026年頃からEVに導入予定のシングルフレームグリル、軽快なシルエット、寝かせたルーフ、筋肉質なリアフェンダー、最小限に抑えられた折り目とラインである。
デザイナーのシャルル・ルフラン氏によれば、スポーツ用品を「ジェームズ・ボンド風に」運ぶことができるリアボディセクションも大きな特徴の1つだという。
ボタンに触れるだけで、リアウィンドウが持ち上がってスライドし、ゲートが開いてピックアップトラックのような荷台が現れる。リアシートの後ろには隔壁がスライドして設置され、雨風を防ぐ。
アウディはオフロード性能にも自信を見せる。ルフラン氏は、特別に強化されたPPEプラットフォームについて、「とても頑丈です」と胸を張る。「未舗装路や雪道での走行にも耐えられます。どこに行くにも、このクルマが連れていってくれるでしょう」
アクティブエアサスペンションにより車高を80mm上げることができ、最大248mmの地上高を確保できる。ARディスプレイでは、車体前部を「透過」して前輪の位置を確認できる。
22インチのホイールには頑丈なオールテレーンタイヤを履く。また、ホイール表面に開閉機構を設け、空力効率とブレーキの冷却効率化を高めている。アプローチアングル18.9度、デパーチャーアングル28.1度と謳われている。