サブブランドを新設定 ヴォグゾール(オペル)・グランドランド GSeへ試乗 小変更

公開 : 2023.02.05 08:25

228ps版とのアドバンテージは限定的

シャシーとパワートレイン、それぞれの能力は低くない。ステランティス・グループの他のモデルにも搭載されるPHEVシステムだが、0-100km/h加速を6.1秒でこなす動力性能を備える。クロスオーバーとしては、少々過剰に思えるほどのパワーだ。

ただし、10.4kWhの容量を持つ駆動用バッテリーが空になると、充分な加速力を得るためにガソリンエンジンは一生懸命働くことになり、8速ATの仕事量も増える。この状態では、少々洗練性が損なわれてしまう。

ヴォグゾール(オペル)・グランドランド GSe(欧州仕様)
ヴォグゾールオペル)・グランドランド GSe(欧州仕様)

グランドランドには、GSeを名乗らない228psで前輪駆動のPHEV版も存在するが、実際のところ、スペック表に並ぶ数字ほどのアドバンテージは感じられない。高性能なグレードというより、冬場でも安心な四輪駆動版として考えても良さそうだ。

引き締められたサスペンションで、乗り心地は少々硬め。ステアリングホイールの操舵感は軽く、手のひらへ伝わる感触は薄い。

タイヤはミシュランeプライマシーという燃費重視のアイテムで、グリップ力に感心することはないだろう。GSeグレードでも、ドライバーが運転を楽しめる特性までは得ていない。

英国価格は、同クラスの競合と比べるとお手頃に設定されている。駆動用モーターだけで走れる距離は64kmと充分あり、英国では税金区分で優遇される。ライバルはフォルクスワーゲンティグアントヨタRAV4などになるが、価格競争力では有利といえる。

ヴォグゾール(オペル)・グランドランド GSe(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万3700ポンド(約699万円)
全長:4477mm
全幅:1856mm
全高:1609mm
最高速度:234km/h
0-100km/h加速:6.1秒
燃費:83.3km/L
CO2排出量:27g/km
車両重量:−
パワートレイン:直列4気筒1598ccターボチャージャー+ツインモーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:10.4kWh
最高出力:300ps/6000rpm(システム総合)
最大トルク:52.9kg-m/3000rpm(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事