ランクル70「再再販」 既納客への営業活動、開始 正式受注23年夏以降、納車24年か
公開 : 2023.01.31 11:25 更新 : 2023.01.31 12:37
トヨタ・ランドクルーザー70の「再再販売」が確実だと考えられる情報が揃ってきました。過去モデルをまとめ、現況をお伝えします。
日本の車名でもっとも長い歴史
ランドクルーザーという車名(商標)は1954年にトヨタBJ型が改名してランドクルーザーになった時から現在まで続く日本最長の車名である。
現在、海外を含めた全市場で販売されているランドクルーザーは大きく分けて、
・ヘビーデューティ70系
・ライトデューティ70プラド系
・タフ&プレミアム300系
の3系統となる。
昨今「再再販」で話題の70はランクル40系の後継として1984年に日本国内での販売を開始して以来、悪路走行に適したヘビーデューティな4×4として約40年にわたって世界各国で絶大な信頼を得てきた。
日本国内における70は発売から20年を迎えた2004年に排ガス規制等の諸問題を理由に販売を終了しているが、日本以外の海外~アジアやオーストラリアでは、現在も新車でランドクルーザー70が販売されている。
海外では40~50年経過したランドクルーザーが今も現役で活躍していることは珍しくない。
これは、ランクルの耐久性が素晴らしく、堅牢で悪路走破性が高いから壊れないということはもちろんだが、純正/汎用ともにアフターパーツの供給体制や整備性が他のクルマとは一線を画していることも大きく関係している。
海外と日本で長年、ランドクルーザーを扱ってきたショップのオーナーは以下のように話す。
「もちろん年数が経過して入手困難になったパーツも多いですが、日本以外の国であっても何とか汎用パーツを使って悪路を走破し、『生きて帰る』ことができるレベルには直せます」
「一例をあげるとランクル70は生産時期やボディタイプによって足回りの方式が違いますが、現在もフロントはコイルリジッドを採用しています。構造が簡単、かつ強靭で交換や整備も容易です」
「整備性に優れていて汎用パーツとの互換性も高いので純正部品が入手できなくても応急処置でなんとかなるのです」
2014年「再販」 どんな仕様?
日本では70の販売終了から10年後の2014年8月に70系誕生30周年を記念した復刻モデルとして期間限定(2015年6月30日生産分で受注終了)ながら70の再販をおこなっている。
この時トヨタ自動車は再販の理由を「70シリーズの復活を望むファンの強い要望に応えるべく」として過去に発売されていた4ドアバン(GRJ76K型)に加えて、最大積載量600kgの堅牢なデッキスペースを備えた国内初となるダブルキャブ・ピックアップ・トラック(GRJ79K型)を販売した。
パワートレインには2モデルとも国内初採用となるV型6気筒4.0Lの1GR-FEエンジンを搭載。トランスミッションは5速マニュアルのみ。パートタイム4WDシステム(デュアルモードオートマチックロッキングハブ付)を備えた。
なお、2015年6月30日で販売を終了したのは同年7月26日以降の生産車両に適用される新保安基準(車両突入防止装置)をはじめとした複数の保安基準に適合できなくなったことなどが理由だ。
ちなみに、今年のオートサロンでは群馬トヨタのブースに再販されたランドクルーザー70ダブルキャブ・ピックアップ・トラック(GRJ79K型)が出展されていた。こちらは父親の代から「きこり」を生業とするオーナーから借りてきたという。ふだんは「ランクル70じゃないとダメな場所と用途」で使用されている個体で、本物の「お仕事仕様」のランクル70である。
そのランクル70がいま「再再販」されようとしている。筆者が確かな筋から「再再販」の情報を入手したのは昨年11月半ばのことであり、その後、再再販を裏付ける数々の確定事項が公表されて来ている。
ランクルを製造するトヨタ車体やこれまで国内未発売SUVの発売に深くかかわってきた販社のランドクルーザーをめぐる昨今の動きをまとめてみた。