ランクル70「再再販」 既納客への営業活動、開始 正式受注23年夏以降、納車24年か

公開 : 2023.01.31 11:25  更新 : 2023.01.31 12:37

群馬トヨタと未発売SUV 強い関係

アラコ時代(トヨタの子会社で、かつて存在した製造/架装業者)からランクルの生産をおこなうトヨタ車体は、ランクルに関する情報発信、ランクルのカスタムなど「ランクル事業」に力を入れていくことを公表している。

トヨタ車体

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2022年12月に組織変更および人事異動に関するリリースを発表。

トヨタ車体が70ベースの40を製作途中ながら公開。
トヨタ車体が70ベースの40を製作途中ながら公開。    加藤博人

そこには、ランクル事業の推進体制強化として、大切にすべき「ランクル」ブランドについて、お客様が喜んでいただける価値を持続的に生み出すため「商品・事業企画部」に「LC事業推進室」を新設』とあり、12月1日に「LC事業推進室」を立ち上げた。

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12月末にランクルのカスタムショップ「ランクルBASE」の開設を発表。ランクルに関する情報発信基地も兼ねている。

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1月の東京オートサロンに初出展のトヨタ車体が70ベースの40を製作途中ながら公開。2023年内にはナンバーを取得し、公道を走れる仕様となる予定。

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同じくオートサロンには「ランクルBASE0(ゼロ)号店」のコンセプトでブースを設営

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1月21日実店舗である「ランクルBASE」が愛知県刈谷市内にプレオープンした。

後述するがRVパークを擁する群馬トヨタは過去、国内未発売のトヨタSUV車が日本で販売されることに大きく関わってきた。オートサロンにおける出展車両にも要注目なのである。

群馬トヨタ/RVパーク

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オートサロンにてランクル70(2014年再販モデルのWキャブピックアップ)のオーナーから借りてきた「きこり」仕様を出展。

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オートサロン会場での筆者の取材に対して「メーカーと共にランクル70再再販に向けて全力で動いている」と明言

これら一連の動きに加えてトヨタ部品メーカーの子会社が70ディーゼルのパーツ生産をスタートしたという情報もある。

群馬トヨタと海外販売車種の関係

なぜ、一販社である群馬トヨタが、ランクル70再再販に深く関わるとされるのか? それは、2010年以降に国内販売が実現した海外向けトラック/SUV系車種との関係を見れば納得できるだろう。

FJクルーザー(国内未発売)→2010年販売開始
・ランクル70→2004年国内販売終了→2014年8月再販売
ハイラックス→2004年国内販売終了(6代目)→2017年9月再販売(8代目)

これら3車種はすべて、国内販売が決定する数か月前に東京オートサロンの群馬トヨタブースで展示された実績がある。

群馬トヨタの自社イベントや群馬パーツショーでの展示もおこなわれた。その後、実際にトヨタ自動車から正式に販売が開始されている。

2014年に70が再販した時は、同年1月の東京オートサロンで群馬トヨタのブースにランドクルーザー76バンと79ピックアップのカスタムモデルが展示された。

その約7か月後にトヨタ自動車から同型車種が再販されている。

今年のオートサロン会場で群馬トヨタの担当者に聞いた話をまとめてみると……。

「メーカーは再再販をおこなう方向でやっています。個人的にはディーゼルでオートマティックではないかと思います」

「近い将来、出す方向で動いていますが時期はまだ明確にはわかりません」

「いっぽうどんどん保安基準は厳しくなっています。自動ブレーキの義務付けや排ガス基準、燃費、衝突安全、歩行者保護に関する基準など。それらに対する対策も必要になってきます。自動車メーカーとして乗り越えるべきハードルはたくさんあります」

「抽選販売という形になるかもしれませんし通常の販売方法かもしれません。いずれにしても、近い将来、70の『再再販』を実現するという決意で頑張っているという事かと思います」

記事に関わった人々

  • 執筆

    加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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