シンプルな運転の楽しさ ヒョンデ・キャスパーへ試乗 韓国版軽自動車のクロスオーバー
公開 : 2023.02.09 08:25
小さなクルマのシンプルな運転の楽しさ
少々荒削りなエンジンとはいえ、ある程度のスピードに到達すれば粘り強く走る。好感触なステアリングホイールと、短いホイールベースが生む、シンプルな運転の楽しさを味わえる。小さなクルマは、やはり魅力的だと感じる。
間違いなく、都市部では大柄なSUVより運転しやすい。交通量の多い道でも、キビキビと行く先を急げる。アクセルペダルを踏み込むと、粗っぽい3気筒エンジンのノイズが響いてくる。
現地の価格を換算すると、エントリーグレードのキャスパーは8665ポンド(約138万円)になる。装備も簡略化されているが、かなりお手頃といえるだろう。ヒョンデi10の英国価格は、1万4995ポンド(約240万円)だ。
韓国の自動車市場は多彩で、アメリカや中国の影響を受けたと思われるサルーンも人気が高く、欧州のようにハッチバックやSUVも数多く走っている。最近ヒョンデが力を入れているバッテリーEVは、まだそれほど多くはない。
そんなキャスパーだが、BEV版が計画されているという。妥当な価格で開発されれば、欧州市場へ上陸する可能性もゼロではないだろう。
都市部向けのコンパクトカーの選択肢は、欧州市場では減少傾向にある。ヒョンデ・キャスパーは、その魅力を再確認させてくれる。英国の若者がお友だちにする日も、そう遠くはないかもしれない。
番外編:筆者が気になった現地の韓国車
ヒョンデ・スタリア
近未来的なスタイリングをまとうスタリアだが、その内側はフォルクスワーゲン・マルチバンと同様の、ワンボックス・ミニバン。車内には小型のキッチンをオプションで指定でき、キャンピングカー仕様に仕立てることもできる。
ヒョンデ・ポレスト
スタリアとは別に、本気のキャンピングカーもヒョンデは提供している。こちらはポーターと呼ばれる小型トラックがベースで、日本でいうところのキャブコンバージョン・タイプだ。
車名のポレストは、ポーター(配達員)とレスト(休養)を組み合わせた造語らしい。キッチンだけでなく、就寝できる空間が3か所に設けられている。
キア・レイ
ボディサイズはキャスパーに近い、韓国版軽自動車。助手席側にスライドドアを備えた、四角いカタチの都市部向けコンパクトカー。ガソリンエンジンの他に、LPガス仕様もあるのが特徴。2011年にはBEV版もリリースされている、長寿命モデルだ。
ヒョンデ・キャスパー 1.0T-GDi(韓国仕様)のスペック
韓国価格:8665ポンド(約138万円)相当
全長:3595mm
全幅:1595mm
全高:1575mm
最高速度:−
0-100km/h加速:−
燃費:12.3-12.8km/L
CO2排出量:130-136g/km
車両重量:986-1060kg
パワートレイン:直列3気筒999ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:100ps/4500-6000rpm
最大トルク:17.5kg-m/1500-4000rpm
ギアボックス:4速オートマティック