オークションで高額落札されたクルマ 10選 ポルシェ911からT型フォードまで 2022年版

公開 : 2023.02.05 18:05

イスパノ・スイザH6Cトーピード

数百万ドル規模のコレクターカーとして有名な1924年のH6Cトーピード(H6C TORPEDO)は、スペインの航空機・自動車メーカーであるイスパノ・スイザが製造したモデルの中でも特にエキゾチックな1台である。

「チューリップウッド」と呼ばれるマホガニー製のボディを持ち、元オーナーであるアンドレ・デュボネがタルガ・フローリオをはじめとするレースやラリー競技に出場させたものである。この車両は8月に開催されたサザビーズのモントレー・オークションにて、924万5000ドル(約1億2000万円)で落札された。

イスパノ・スイザH6Cトーピード
イスパノ・スイザH6Cトーピード

シェルビー・マスタングGT350R

このシェルビー・マスタングGT350のレーシング仕様「R」は、1月に385万ドル(約5億円)で落札され、2年前に「Mecum Auctions」で同車が落札されたときの記録を破った。1965年にキャロル・シェルビーによって製作された1台で、テキサス州ダラス近郊のグリーンバレー・レースウェイでは宙に浮いた瞬間の姿が撮影され、「空飛ぶマスタング」と呼ばれるようになった。このときハンドルを握っていたのはケン・マイルズである。

1960年代を通してレースで活躍し、2010年代にレストアされた、史上最もエキサイティングなマスタングの1台である。数十年にわたる物語がしっかりと刻まれており、そこに支払われた金額も十分妥当なものと言えるだろう。

シェルビー・マスタングGT350R
シェルビー・マスタングGT350R

ロードレス・ランドローバー

1959年、英国ハウンズローのトラクター専門会社ロードレス・トラクション社は、ランドローバー・シリーズII 109からこのモンスターを作り出した。今年5月にノースヨークシャーの「Tennants Auctioneers」で発見されたこの車両は、20台弱の生産台数のうち2台目のプロトタイプで、現存しているのは6台のみだという。5万ポンドの予想額を大きく飛び越えて、11万ポンド(約1760万円)で落札された。ボンド映画『007 スペクター(原題:Spectre)』に登場する20万ポンド(約3200万円)のSVXディフェンダーと比べれば、かなりお値打ち品と言えるだろう。

ロードレス・ランドローバー
ロードレス・ランドローバー

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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