例えるなら4ドアのフェラーリ アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ 英国版中古車ガイド

公開 : 2023.02.10 08:25  更新 : 2023.02.28 15:38

4ドアのフェラーリと英国編集部が例えるほど、魅力に満ちた四葉のジュリア。中古車で、その魅力を再確認します。

イタリアの息吹に溢れた2.9L V6ツインターボ

もし筆者の夢を叶えられるなら、実用性を犠牲にしない、4ドアのフェラーリを希望したい。比較的手頃な価格で、見惚れるほど美しいスタイリングの1台を。

他のモデルでは味わえない壮大なドライビング体験を備えつつ、普段使いできるモデルが良い。故障や維持費に追われ、貯金が消え去るのは困る。家族での週末のお出かけに、バスや電車を使わずに済む広さは欲しい。

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)
アルファ・ロメオジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)

そんな願いを、かなり近いカタチで現実のものとしたのが、2016年に発売されたアルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオだ。確かに目を細めてみれば、フェラーリの4ドアサルーンはこんな容姿になるのかもしれない。

色っぽいカーブを描くボンネットの内側には、最高出力510psを誇る、2.9L V6ツインターボエンジンが搭載されている。その味わいは、イタリアの息吹に溢れている。爽快に吹け上がり感情豊か。クルマ好きを自称する人なら、嫌いになることはないはず。

ステアリングホイールを握り公道を走れば、さらに夢は現実になる。V6エンジンは右足と一体化したような、鋭敏なレスポンスで回転し、巨大なパワーが放たれる。8速ATが巧みに変速を繰り返し、無駄なくスピードへ変換される。

ジュリア・クアドリフォリオの0-100km/h加速は3.9秒。最高速度は307km/hに到達する。まさに、ひと昔前のフェラーリ級の動力性能といっていい。

超クイックなステアリングと確実なグリップ

シャシーには電子制御技術がふんだんに投入され、見事なコーナリングも実現している。超クイックなステアリングレシオと確実なグリップ力で、素早く軽快に連続するカーブを処理できる。

乗り心地も素晴らしい。510psのフロントエンジン・リアドライブとは考えられない、しなやかな足まわりを備えている。

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)
アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)

操縦性は懐が深く、グリップ状態を保つことも、テールスライドでの悪ふざけも自在。これ以上に楽しめる4ドアサルーンは、極めて限定的だろう。

ドライブモードには、ナチュラル、ダイナミック、レースという3種に加えて、アドバンスド・エフィシェンシーという燃費に配慮したモードも用意されている。お財布にも、少しは優しくなる。

ドライビングポジションは低く良好。運転席のまわりに、必要なモノが適正な位置に並んでいる。横方向のサポート性にも優れるバケットシートは、ステアリングホイールと同様に角度の調整域が広い。

ダッシュボードのレイアウトは論理的。メーターパネルには見やすいデザインのメーターが2枚並び、その横の高い位置にインフォテインメント用の8.8インチモニターが据えられる。

インフォテインメント・システムは、ロータリーコントローラーで操作できる。ライバルの方がグラフィックは鮮明かもしれないが、使い勝手は良好。アップル・カープレイとアンドロイド・オートにも標準で対応する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ピアソン

    Mark Pearson

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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