日産自動車 2028年に初の全固体電池EVを発売へ 「クラストップ」の自信
公開 : 2023.02.03 18:05
日産自動車は全固体電池を搭載したEVを2028年に発売する計画で、2025年からパイロット生産を開始します。メーカー各社による開発競争の中で、日産は「クラスをリードする」と自信を見せています。
日産の全固体電池EV 2028年発売予定
日産は、全固体電池を搭載したEV(電気自動車)の発売に力を入れている。この技術に関して日産は、「クラスをリードする立場にある」と自信を見せる。
2010年に世界初の量産EVとなるリーフを発売した日産は、2025年までに全固体電池のパイロット生産工場を立ち上げ、2026年に初期開発を完了し、2028年から本格的な量産を開始し、自動車に搭載していく予定である。
日産の欧州研究開発担当上級副社長であるデビッド・モス氏は、「日産は非常に特別なものを持っており、この技術をリードするグループに属すると考えています。コストを(リチウムイオン電池に比べて)50%下げ、エネルギー密度を2倍にし、充電速度を3倍にしたい」と語った。
モス氏によると、日産は現段階で、小さなボタン型セルから、より大きな正方形(10cm角)のセルに移行したという。最終的にはノートパソコンほどの大きさのセルになるとしている。
また、モス氏は、英オックスフォード大学の科学者とともに技術開発に取り組んでおり、日産の固体電池は液体の要素(電解液)をすべて取り除いた「全固体電池(all solid-state)」であると述べた。
「電池から液体の電解質を取り除けるか? ここが当社のリードするところだと思います。固体電池の中には電解液が残っているものがありますが、この液体が沸騰してしまうことが問題なのです。液体が沸騰すると、エネルギーの貯蔵と移動の効率、投入する電力に影響が出ます」
全固体電池技術は、大型のSUVやピックアップトラックなど、「今日では不可能な分野に電動モビリティを開放する」とのこと。
日産が2028年にどのモデルから全固体電池を導入するかは明らかにされていないが、車両の開発および製造工程のほぼすべてに劇的な影響を与えるため、まったく新しいアーキテクチャ(プラットフォーム)をベースに、新しい工場で製造される可能性が高い。
日産は以前、将来を見据えた3台のコンセプトカー(Max-Out、Surf-Out、Hang-Out)を公開し、次世代のEV技術によってさまざまな市場セグメントが彩られることをアピールした。
「全固体電池のような技術に取り組む場合、車両のメカニズムやアーキテクチャをすべて変更しなければなりません」と、モスは言う。同技術は、導入のタイミングを誤ったり、他のプロジェクトを妨げたりしないように、どの車両とも別に開発されている。
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